第2章: 雪の約束
第2話 – 7ページ目:イロを見た衝撃
午後3時52分。
カップから温かい湯気が立ち上る。
コーヒーと焼き菓子の香りが、カフェ全体を優しく包んでいた。
イロはカウンターの中に立っている。
穏やかに…あの、いつもの薄い微笑みを浮かべて。
髪は雪で少し濡れていて、袖はまくり上げられている――まるで、この空間のためにそこにいるかのように。
ミヤが入ってくる。
しかしその後ろには…
三人の少女たちも、続いていた。
静かに…しかし、「私たちは本当にたまたまここにいるだけ」という危険なエネルギーを纏って。
彼女たちの目がイロに留まった瞬間――
固まった。
ユカが、息を潜めて言った。
「え…これが…ミヤが隠してた人?」
リナが、じっくりと観察しながら言った。
「身長やば…顔も…」
ハナが、完全に抑えきれずに言った。
「かっこよすぎるんだけど!!」
ミヤが、すぐに振り返って言った。
「ちょ、うるさい!」
しかし、もう遅かった。
イロが顔を上げる。
その視線は、真っ直ぐにミヤへと向かった。
一瞬。
そして彼は微笑んだ。
穏やかに。温かく。ただ、彼女だけに向けて。
ユカが、再び息を潜めて言った。
「なんか…ムカつくくらいかっこいい…」
リナが言った。
「嫉妬ってこういうこと?」
ハナが、完全に真剣な顔で言った。
「わかった…彼氏だ。これ。」
ミヤは、そっと目を閉じた。
「もうやめて…」
イロが前に出てくる。
その声は、静かだった。
「いらっしゃい。」
彼の視線が、三人の少女に移る。
「…友達?」
ミヤが、慌てて言おうとする。
「えっと、この人たちは…」
ユカが、即座に言った。
「親友です!」
リナが言った。
「偶然です!本当に偶然!」
ハナが、何も考えずに言った。
「尾行してました。」
ユカが言った。
「言うな!」
イロはただ、微笑んだ。
「そうなんだ。じゃあ、どうぞ。」
ミヤの顔は、赤くなっていた。
急いで席に座る。
三人の少女たちも座った…
しかし、その視線はまだ、イロに釘付けだった。
ユカが、静かに言った。
「ねえ…ミヤ、隠してた理由わかるわ…」
リナが言った。
「これは言えないやつだよ…」
ハナが言った。
「世界レベル…」
ミヤが、かすれた声で言った。
「お願いだから静かにして…」
---
イロが、ミヤにコーヒーを運んでくる。
カップをそっと置くとき、三人の少女たちは息を呑んでその様子を見つめていた。
リナが、声を潜めて言った。
「今の見た?」
ハナが言った。
「優しすぎじゃない?」
ユカが言った。
「これは…怪しい関係だね…」
ミヤが言った。
「違うから!」
---
カウンターの向こうから、イロが一瞬、ミヤを見つめる。
その微笑みが、ほんの少しだけ深くなった。
ミヤも――ほんの一瞬だけ、その視線に応えた。
そして彼女の心臓は――
その許可もなく――
少しだけ、速く打った。




