第2章: 雪の約束
第2話 – 6ページ目:尾行
午後3時27分。
最後のチャイムが鳴り、ミヤは静かに教室を出た。
いつものように。
しかし、今度は――一人ではなかった。
彼女の背後を、三つの奇妙な影が動いていた。
ひどく下手で、とても分かりやすく…そして、完全に怪しい。
ユカが、聞こえてしまうようなひそひそ声で言った。
「みんな…今日こそ、ミヤの秘密を暴くよ。」
リナがすぐに答えた。
「声ちいさく!バレるって!」
ハナが、完全に真剣な顔で言った。
「私、彼氏できたと思う。」
ユカはほとんど息を呑んで彼女を止めた。
「黙って!まだ決めつけるな!」
ミヤは、一瞬立ち止まった。
少しだけ顔を巡らせる。
三人の少女…それぞれが、「まったくの偶然」らしい角度に立っていた。
全然、偶然ではなかった。
ミヤは、唇の端で呟いた。
「なんでこうなるの…」
そして、歩調を速めた。
彼女たちも、歩調を速めた。
ミヤが曲がる。
彼女たちも同時に曲がる――まったく非論理的な連携で。
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午後3時34分 – 通り
ミヤが通りに出た。
もう撒けたと思った。
しかし、突然――
リナが細い木の陰から現れた。
その木は、自分自身さえ完全には隠せないほど華奢だった。
ハナが誇らしげに言った。
「どう?完璧でしょ?」
リナが息を切らせて言った。
「どこが完璧!全部見えてたよ!」
ユカが、わざとらしい真剣さで言った。
「作戦に文句言うな!」
ミヤは、ため息をついた。
「探偵やったら…最初に自分を見失うタイプだね。」
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午後3時41分 – カフェの近く
ミヤは、イロのカフェへと続く路地に入った。
三人の少女は、赤い郵便ポストの陰に隠れた。
猫一匹隠すのがやっとの、小さなポストの陰に。
ハナが、興奮して言った。
「ここ!ここだよ!」
リナが言った。
「やっぱり…ここ怪しい…」
ユカが、静かに言った。
「カフェ…」
ミヤは、入り口の前に立った。
雪が、静かに降っていた。
一瞬、ためらう。
彼女の手がドアノブにかかった――
その時、突然――
ハナがくしゃみをした。
「ハクショーーーーーーン!!!」
沈黙。
ミヤが振り返る。
三人は、通り道のまっただ中に突っ立っていた…
「私たちは何もしていません」という態勢で。
ミヤは、彼女たちを見つめた。
「…何してるの?」
ユカが、慌てて言った。
「あ、えっと…散歩!」
ハナが言った。
「今?…」
リナが言った。
「たまたま通りかかっただけ!」
ミヤの視線が、彼女たちとカフェの間を行ったり来たりする。
それから、静かに言った。
「…そう。」
ミヤは微笑んだ。
小さな、しかし確かな笑顔で。
「知りたかったら、聞けばいいのに。」
ハナが、すぐに言った。
「聞いたもん!でも言わなかったじゃん!」
リナが言った。
「しかもごまかしたし!」
ユカが、少しだけ落ち着いた声で言った。
「ただ…心配だっただけ。ミヤ、最近ちょっと遠いから。」
ミヤは、黙り込んだ。
それから、静かに言った。
「私は…まだ話したくないこともある。でも。」
間。
「あなたたちは友達だよ。離れたいなんて、思ってない。」
三人が、少し落ち着いた。
ユカが言った。
「…よかった。」
リナが言った。
「ほんとに?」
ハナが言った。
「じゃあ彼氏じゃないんだね?」
ミヤが、すぐに言った。
「はな!!」
そして、三人は笑い出した。
一瞬だけ――その距離は縮まった。
完全ではないけれど、少しだけ。
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カフェのガラス越しに、イロが見つめていた。
その顔には、穏やかな微笑みが浮かんでいた。
雪は、まだ降り続いていた。




