第2章: 雪の約束
第2話 – 12ページ目:詩を理解した夜
午後10時17分。
雪は、もう上がっていた。
空は真っ黒で、星一つない…しかし、街の明かりは十分に強く、影たちはまだ壁の上で息をしていた。
ミヤはベッドの上に座っていた。
背を枕に預け、両膝を抱えている。
机の上から、本を手に取った。
「夜景座生まれ」
表紙は白く、文字は銀色だった。
シンプルで…静かで…まるで、彼女自身のように。
まるで、イロのように。
本を開いた。
美しくありたいと思うことが醜いことであるなら
ぼくは、きみのように美しくなりたいんだと、望んで汚れてみたい
静かに読んだ。
一度。
そして、もう一度。
指が、行の上を滑る。
「美しくありたいと思うことが…もしそれ自体が醜いことだとしたら…?」
間を置いた。
「でも、それでも…なりたいって言ってる。」
何ページか進めた。
目が、一つの短い詩に留まった。
あなたのいない夜に
私は星を見ない
見えるのは
あなたの声だけ
しばらく、そのままでいた。
「声が…見えるの?」
最初は、奇妙に思えた。
しかし、そのうち――静かに――彼女は理解した。
イロがいない時…
彼の声は、まだそこにあった。
彼女の心の中に。
静かに…コーヒーの湯気のように。
音もなく窓に積もる雪のように。
本を閉じた。
天井を見つめる。
「イロ…」
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彼女は立ち上がった。
窓辺に歩いていく。
街は、灯りの下で静かに息づいていた。
雪はまだ地面に残り…
オレンジ色の光が、その白い上に線を描いていた。
再び本を開いた。
同じページ。
「これが…詩なんだ。」
そっと息を吐いた。
「ただの言葉じゃない…」
「誰かが、自分の心を、あるがままにここに置いていったみたい。」
指で、表紙をなぞる。
「夜景」
小さな微笑みが、彼女の唇に浮かんだ。
振り返り、ベッドに腰を下ろした。
本を枕元に置く。
灯りを消した。
闇が部屋を包み込んだ。
ただ、暖房の音と…
窓の外の、静かな風だけが聞こえる。
彼女は、目を閉じた。
一つの想いが、静かに心を過ぎる。
「イロは…どうしてこの本をくれたんだろう。」
短い間。
「…私を、まるで詩のように見ているの?」
彼女の呼吸は、ゆっくりと静かになっていく。
眠気が、まぶたの上に重くのしかかる。
そして、彼女の心を最後に過ぎったのは――
完全な考えではなく、
ただ一つの感覚だった。
「…明日、会いたい。」




