↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/4

第2話 恋愛マスター誕生!?


「ローザ様、ありがとうございました!」



数日後。


アールグレイを飲みながら、長髪のイケメンと夢の逃避行していた私は、ビクッとしました。


「えっと…、すみません、どなたでしょうか?」


私の前には、美女が立っていました。

申し訳ないけれど、見覚えがありません。


「ローザ様ったら。リリーですよ!」


ええっ!!


これは驚きました。

前に会ったときとは別人です。


「ローザ様のアドバイス通りにしたら、紅茶のお店の人と、トントン拍子に上手くいきまして。」

「私、今、幸せいっぱいです!ローザ様、本当にありがとうございました!」


リリーは深々とお辞儀をしました。


アドバイスしたことなど、すっかり忘れていた私は、しどろもどろになりながら言いました。


「え、ええ。良かったわね。あんなアドバイスで良かったら、いつでもするわよ」


「本当ですか!?」


リリーがキラキラと目を輝かせました。


「実は、友達の相談に乗ってもらいたくて。」

「ローザ様の話をしたら、私もお願いしたいって言われたんです。今度、連れてきますね!」


そんなつもりじゃなかったのよ?

でも、今さら断ることもできなくて


「いつでもいらっしゃい」


なんて言ってしまいました。

なんで墓穴を掘っているのよ!?


◇


しばらくすると、リリーの友達がやってきました。


「はじめまして、ローザ恋愛マスター様。アリアです」


飲んでいた紅茶を吹き出しそうになりました。


な、なんですか、その呼び方は!?


「あ、アリア、よろしくね。で、相談は何かしら?」


令嬢は、細かいことは気にしてはいけません。あくまでも穏やかに聞いてみます。


「はい。幼ななじみが好きなのですが、相手は私を恋愛対象として見てくれないんです」


ああ、これは小説の定番中の定番ね。


「そうね、まずは、他の男と親しい素振りをして、嫉妬させるのよ」


「ちょっと、手の届かない感を出していくのよ。そうしたら追いかけてくれるわ」


「それから、大人の女性を演出していくの。私は子供の頃と違うのよってね」


「あとは、そうね……、あなたは色白だから、ハッキリした色の服のほうが似合うと思うわ」


また、つらつらと話してしまいました。


「ありがとうございます、恋愛マスター様!やってみます!」


だから、恋愛マスターではないって。


こんなのでよかったのかしら?

私は、冷や汗をそっと拭いました。



「きっと大丈夫よ。頑張ってね」


◇


午後の紅茶の時間です。

外のテーブルで、思う存分妄想にふけろうと、扉を開けました。


すると、そこにはたくさんの人が集まっています。


「あら、今日は何かあったのかしら?」


これでは静かに妄想に浸れません。


残念に思いながら引き返そうとすると、皆が一斉に視線を向けました。


「恋愛マスター様がいらっしゃった!」


「私もお願いいたします!」


ちょ、ちょっと待ってください。

私は恋愛マスターではないし、こんなに沢山の人の相談には乗れません。


そこに、リリーと、アリアがやってきました。


「ローザ恋愛マスター様。あなたのおかげで、私たちは幸せになりました。」

「どうぞ、これからも私たちをお導きください!」


これは困りました。


頼まれると嫌とは言えない私です。


皆さんから期待されているなら、なおさらです。


とはいえ、一度に答えることはできませんね……。



私は、ふと空き部屋の存在を思い出しました。


突発的に妄想に浸りたくなった時に、コッソリ使っていたあの部屋です。


あそこなら、相談に乗るにはもってこいです。


「わかりました。では、予約制にしますので、時間になったら空き部屋に来てくださいね」


皆さんに伝えてから気づきました。


私は、これからはどこで妄想をしたらいいのでしょうか?


私は、心の中で大声で叫びました。




――それは、私の仕事じゃありませんっ!!




この時の私は甘く見ていました。




どうせ一時のことに違いないと思っていたのです。



それが、あんなことになるなんて、誰が想像できたでしょうか……?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。