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賄賂は、秘蔵の菓子に限る?!



「大丈夫ですよ、これ緑茶ですから!!」


お勧めしているのはかなりの自信作『緑茶』もどき。何せ作り方があやふやで,だけど完成品はかなりの出来栄えだった。偶然、茶葉を我が家の周りで見つけた時は思わず叫んだものな、俺。


難しい顔の女性を改めて見つめる。ありゃ飲む気がないな…美味しいのに。

しかし問題はその横に立つイカツイ二人の男性だ。


怖い…。


『殺気』で人を抹殺出来るなら即座に俺が終わる…そのレベルでの目つきですよね?

もし、ラスが同行してくれてなかったらどうなっていたか。


「先程は失礼しました。私の名はラスと申します。この方のギルドで工作部門のチーフをしております。」


「いえ,こちらこそ失礼しました。行方不明の知り合いにそっくりだったものですから。」


おや、びびる俺を置いてけぼりで話が進んでる?しかも…和やかなムードじゃん!!

何でだ?


イケメンか?やっぱりイケメンが悪いんだな。


まぁ、俺の人生の敵はずっとイケメンだったからな。あれ?今何言った…。時折ふらっと記憶が戻る気がするけど。んー。


「あのー。びっくりさせてごめんなさい。コレはとっても美味しいお菓子です。よければどうぞ。」


台所から慣れた風情でお菓子を運んできたのはクザン。クザンよ。さり気なく溶け込んでいるけど勝手に潜り込んでいた事の話合いは、お客様のお帰りの後でな!


あー、ヤランさんの激怒の様子しか思い付かないよぉ。。


「素晴らしい小姓ね。こんな子を雇ってるなんてさすがですわ!」


いや、この馬車の持ち主は一応俺だからね。どっち見てるの。ラスじゃないからね?!


「いや、この子はお世話になっている方の息子さんで賢い子なんです。」


「まぁ、そうでしたの。僕、お名前は?」


「クザンと申します。」礼儀正しいクザンのお辞儀にイカツイ二人組も笑顔だし。



「あのー。ぶつけちゃった馬車ですけどたぶんそっちが悪いと思うんです。あ、でも大丈夫ですよ?こっちに被害は無かったか…ヒッ!!」


胸ぐら、胸ぐらを掴むのは傷害罪ですよ、お兄さん!!

くっ,苦しいし。


「やめて貰おうか。、」


レナトゥス!!やっぱりこう言う場面はレナトゥスだよね。ありがとーー。


「主人は言葉の選び方が下手なだけで悪気はない。しかもこちらで馬車の修理は請け負うと約束しただろ。まだ文句があるのか?」


それ…フォローじゃないから!!それはツッコミだからな。馬車の修理するって言っても…あの有り様じゃ新品渡した方が早いわ。


「あの『飴』がそんなに気に入ったのですか?」遠慮ガチに尋ねるクザン。

そう、あの時ルーナスが手に持ってた棒付きの飴に異様な反応を示したから。


差し上げましたとも!!

(だいたいお菓子の伝道師になると誓ったんだ、俺は!!だから旅立ったんだ。)


そうしたら。

両手に持って離さないんだよ、このお姫様。

そう言えば、少しばかりふくよかだものな。


「この国の民たちは、美味しいモノを作らないから旅に出るところだったのよ。それをお前たちが邪魔をするからきっと見つかるわ。」



バタン!!



誰に見つかるのかと聞こうと思ったら、その人物はすぐさま現れた。


「馬鹿者!其方は幾つになっても懲りぬのか。もう王家から出す以外にないな」


身なりの良い、貫禄の男性はこちらには全く興味なしでお姫様に最後通牒を渡してる。

でも、そんな事より俺の耳に故障が生じてるよ、レナトゥス!!


いや、だって王家とか不穏なワードがあった気が…「主人よ。現実逃避癖は止めるのだな。あの身なりで一般人のはずがないだろ?」


言い合う王家らしき二人の横で今更、逃亡の算段をはじめてたらラスに袖を掴まれた。



「転移はこの場合、悪手です。疑いが昇格して罪が確定しますよ。」


実直なラスらしいツッコミに諦めて小声でツッコむ。「じゃあ、最後の手段に出るしかないな…」


おや、レナトゥスと目が合ったけど思い立ったらすぐ行動の俺は素早く台所へと席を立つ。


そう、名付けて『プレゼント作戦』別名を賄賂作戦とも言うけどね。お得意様のお局様に最も効くのは希少高級菓子あるのみ!!


と、言う訳で我がギルドの誇るSSランクのミクさんに特別に作って貰った和菓子セットを出すしかないな。


名案、名案…ん?なんだい、クザン。顔が真っ青だけど…「は、早く来てください。レナトゥスさんがレナトゥスが!!」

要を得ないクザンくんは、そりゃまだ子供だ。落ち着かせてまぁまぁと肩を叩いていたら引きづられたよ。(子供に力負けするって…筋トレ始めようかな、俺…)



え?何、この場面。

何でお姫様や貫禄のおじさんも、殺気満々の二人も床で寝ているのかな?


「もう!!今は冗談とか言う場合じゃないよ!!コレはレナトゥスさんがやったんだよ!!!」



なにしとんねん!!と言ったら。。



「いや、主人に命令されたからな。」って。



ヤバい。本格的にヤバいよ。

「プレゼント作戦」の格上げ決定だな。


青ざめながら思案する俺にレナトゥスが追加で「あ、大丈夫だ。外な奴らも熨しておいたからな。」



はい!!決まりました。


「逃亡」一択です。


でも、ここで救いの神が現れたんだ。

ラスの腹心の部下のキリさんだよ。



「ここは任せてください。」って。



キリさん、頼みます!!

一応、伝統の技『土下座』の準備はしておきますから!!


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