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心結乃熾刀  作者: 氣肚愛烙
第一章 黎明乃熾刀
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再誕乃熾刀

 嗚呼、昔から頑固だった。


 誰かに、止められても、一度決めたものは、意地でもやめない。

 そんな餓鬼だった気がする。


龍仁暦5年



、、

ポタッポタッ


 身体の側で、湿った雨音がする。

鈍色《にびいろ》の意識のなか、微かに遠くから、五月雨が響いてくる。

 はっきりとはしなかったが、朦朧とした微睡みのなか永き時間が過ぎた気がする、、


 私は、混沌とした意識の間、雨音に誘われ、重たき矮駆を不格好にも、恐る恐ると起こした。


 目に掻痒感《そうようかん》を覚える。

 混沌とした意識の中、ポタポタと耳元で響く音。

 私は目を擦りながら、ついた水滴と共、顔を上に向けると、辺り岩壁に囲まれた洞窟の中、上から滴る山の雪解け水に顔が濡れ、辺り一面が大量の素水で霑潤《てんじゅん》となっていた。私は、ぐしゃぐしゃと、自身の顔へついた水滴を拭う。






、、、


ふと静寂の中、私は左の方へ身体を向け、上体を起こす。





んんんっ、、、?



 さきまで、薄暗いと思うていた幽玄な洞窟の中へ、混濁した意識に一縷の陽光が、陰天な空の合間へ差し込み、胸の辺りが、軽佻にも躍動する。

 混濁していた意識に、途絶しかけていた辛き渇仰のなか、

 嗚呼、ここが黄泉の國なるものなのか、、


 ふと、唖然としたはずの顔へ、ひとすじ、涙がポタリと落ちる。













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