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藤本落語  作者: 藤本GJ
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ウソつき

男が付いた最初のウソは可愛い物だった


親戚の集まりで「この飴ちゃん誰の?」とおばちゃんに聞かれた時、「俺の」とウソを付いたのが最初。6歳の時だ


みんなが疑いもせず信じてくれたのが楽しかった


男のウソはそこから始まった


小学生の時、お父さんは自衛隊のエライさん。遠い親戚に吉永小百合。子供時代はそんなウソを付いた


「サクマドロップスって飴ちゃんは親戚のおっちゃんが作った」ってウソも付いた


中学に上がり「読書感想文で総理大臣賞を取った」とウソを付くも、周りの反応がイマイチなので、「ごめん。審査員特別賞」とまたウソを重ねた







大人になってもそんなウソは続いた


派遣社員として働いてる時に、周りの派遣仲間に


「僕はね、浅間山荘の時に機動隊で最前線にいたんだ」


「この仕事の前は国会議員やっててね。角栄派の議員だったんだけど。娘の真紀子とは子供の時ケンカしてねぇ」


「親戚がサクマドロップス作ったんですよ。『火垂るの墓』の飴ちゃんは親戚の作品です」


「警察やった後、教師やって、相談役やってここに来た」


「えっ?角栄派の議員の後にここじゃ?」


突っ込まれると「議員時代にそういう連中の口利きやったって話よ」とウソを重ねた


「警察やった」言うてたがな


ちなみに男、人の話は全く聞かないので仕事でミスをしまくった。仕事のやり方を右から左だから当然である




男が付いた究極のウソが


「幽霊っていると思いますか?実は私、幽霊なんですよ。もう死んでるんですよ」


若手派遣社員に「シックスセンスやん(笑)」とツッコまれたのに、男はシックスセンスの映画を知らなかった


派遣仲間のオッチャンに


「私、実は幽霊でね。もう10年前に亡くなってましてね」


「幽霊もお金稼がなダメなんですか?」


真面目なオッチャンに聞かれるも無視した






そんなウソつき。仕事をちゃんとしないでウソばっかり付くから幽霊社員になった。

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