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藤本落語  作者: 藤本GJ
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来世は年収1億や

車椅子での一生を終えた多幸さん。


あの世の役所で飛び跳ねて喜んだ。ニコニコ満面の笑顔。歩けるのが嬉しくて仕方ない。



役所にいたナースさんやスーツ着た人に



「俺はハンディを頑張ったんや!来世は優遇されるんやろ!年収1億以上で頼むわ」



多幸さんはあの世のルールを役所の看板で少し知っていた。



『向こうで苦労したほど、来世ポイント貰える。それを使って来世のパラメータを上げれる』



役所の男は答えた。



「確かにあなたは身体障害者で健常者より不便だったかもしれません。けど不幸ではない」


「不便も不幸も一緒やろ!」


「まぁ、パラメータの割り振りはそこじゃない」


「はぁ?」


「苦労って書いてたでしょ?」


「不便=苦労やろ」



男はナースに指示を出し、ナースはスクリーンを上から下ろした。映画が始まるのか?


生前の多幸が映っている。駅員さんとホームで話している。



『おいっ!俺は車椅子やぞ!改札まで押せや!気ぃ効かんの!だから公務員嫌いやねん!』


多幸の背中からあぶら汗が出てきた。


『駅長んとこ連れてけや!』


駅長室に入ると


『お前の教育が悪いからお前の部下の駅員に柱に足ぶつけられたわ。どうしてくれんねん!俺は車椅子やぞ!』


押した駅員さんの操縦が悪かったのかぶつけたらしい。



コンビニ



『おい!出口まで押してくれや!俺は障害持ちの客やぞ!あとな、飲み物あんな上にあったら車椅子の奴は手ぇ届かんやんけ!ここのコンビニは障害者は飲み物買ったらアカンのか!』


多幸は下を向いた。震えが止まらない。おそらく来世はヒドくなる。


それでも映画は終わらない。



飲食店



『この店は狭いねん!何やお前らは俺らが来たらアカンのか!障害者は餓死せぇ言うんかコラッ!』


「もう止めてくれ!」


ナースと役所の人は無視。



飲食店2



『何で俺ら入店出来ひんねん!おかしいやろ!差別やんけ!』


『入店出来る店舗と出来ない店舗がありまして…』


『全部出来る店舗にせいや!差別やんけ!裁判起こすぞコラッ!』


『申し訳ございません。ご勘弁願えませんか』



多幸は気付いた。全部向こうに謝られてる。


向こうに苦労させてる。



友達



『俺と電車乗ったら大阪メトロはタダや!一緒に乗って良いパチンコ屋行こや。介助人って事にしたら電車賃0やから全部突っ込めるで』



『改札まで押せや!』


『介助人の方がいるじゃないですか?』


『お前名前なんて言うねん?職務放棄で上に上げたるわ!』



そこで映像は止まった。役所の男は言った。



「これ1回だけじゃないよね?色んな駅、コンビニ、飲食店でやってるよね」


「許してくれ!」


「見るの気分悪くなったから途中で止めたけど、それ以外でもやってるよね?市役所、イベント会社とか」


「アドバイスのつもりやったんや!」


「相手が謝る一方ならアドバイスではなくクレームだ」


多幸は黙ってしまった。



「あと、来世のパラメータはこっちで決めるんだ。あんた方じゃないよ」


「まぁ、向こうで苦労してたら途中で運を若干上げるけど」


「俺の来世はどうなる?」


「今から決めます」



































マー君、石けりやろうぜ!溝落とした方が負けな。


ランドセルを背負った小学生が石けりを始めた。


イタッ!


イタッ!


イタッ!



何回か蹴られると水の溜まった溝にポチャンと落ちた。


銀格子の間から石は落ちた。


多幸は溺死した。


来世も彼はまだ石だ。

人間に平等にあるのは時間と心だ。


この2つは健常、障害関係ない。


人を笑顔にする事が来世に繋がるのかもしれない。

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