死んでるんですけど
自殺した者はあの世に行けない。
この世を彷徨う。自殺し幽霊になった25歳の京子は今日も山を彷徨っていた。
白い服を着てベタな格好で。
霊感の強い者は京子を見ると
「ウワッ!」、「出たぁ!」、「きゃああ!」
悲鳴を上げて逃げて行く。京子はそれを見るのが楽しかった。ざまぁみろと思った。
この世で人を驚かす事に満喫していると、オッサンが山に来た。1人で来るのは珍しいな。山男か、ガタイは良く、髭も生やしていた。
「姉ちゃんこんな所1人で来たんか?」
オッサンに話しかけられた。見えてる!普通に話しかけられた事に驚きながら
「えっ?見えるんですか?」
「見えるって何だよ」
「こんなベタな格好して何か分かるでしょ?」
「あぁ、幽霊か。だから何だよ」
「驚かないんですか?恐くないんですか?」
「何でビビらなきゃいけねぇんだよ。山ん中だぜ。天気の急変の方がよっぽど恐いよ!お前あの世に行かねぇのか?」
「いや、自殺したから行けないんです」
「自殺したらずっと山ん中か?」
「いえ、まだ半年なんでよく分からないですけど」
「姉ちゃんまだ若いのに死んじゃダメだよ!もったいない。山から出れないの?」
「分かりません。何しろこの山で首を吊ったので。出る気が起こりません」
「出れるかもしれねぇんだな!じゃああんた見てたらパチンコのリング打ちたくなって来たから一緒にパチンコ屋に行くぞ!」
「えっ?はい?」
「ずっと山にこもるな!パチンコ行くぞ!」
京子は山男にパチンコ屋に連れて行かれた。
山から簡単に出れた。
山男は全然当たらなかった。20分で1万円が無くなった。
パチンコ屋から出た山男に
「お前のせいで負けたじゃねぇか!殺すぞ!」
と言われたので
「もう死んでるんですけど」
と返した。
「お前、自殺したらあの世に行けねぇって言ったけど」
「はぁ」
「実はここがあの世だバカヤロー!」
「えっ!登山者ビックリしてたし、あの山は…」
「あれは役者だ。実はほとんど一緒の世界。ただ、自殺したから教われなかっただけだ」
「えぇ!!!」
私はひどく驚いた。
「まぁ、この世は地獄ってやつさ」
山男はニヤリと笑った。
寿命全うしたら天に行けたのか?
天の国で天国やし。




