第二十四話 限界ギリギリ
受信が可能だという事がわかり、やれる事の幅が大きく広がった。こうなったら、脳ミソの事を全て知り尽くし、限界ギリギリまで性能を引き出してやる。
そう意気込んではみたものの、脳の全てを認識するのは思った以上に困難な作業だった。
何しろモノが柔らかくて物理的に衝撃や傷に弱いだけならまだしも、その中にはさらに繊細な神経がびっしり通っているのだ。しかも奥に行けば行くほど機能が不可解で接続が困難な箇所が多く、最深部ともなれば原始の記憶が混じってたりと、脳の専門家である俺でも何度匙を投げそうになった事か。
それでも死に物狂いで全体を調べ尽くす。ここで踏ん張れるかどうかで、この先の俺の未来が変わるからだ。
俺の未来、それは、
より強い生物に。
そして辿り着く先は、
最強の存在に。
それができるかどうかは、俺自身の力にかかっているのだ。
本能が囁く声に発破をかけられ、俺はどうにか脳の構造を把握した。その過程で、面白い事がわかった。
その一つが、脳内物質だ。
こいつは宿主が緊張したり興奮すると分泌され、普段よりも身体能力が上がったり痛みに強くなったりする。まあ興奮剤と麻酔を混ぜたようなものだな。上手く使えば戦闘とかで役に立つかもしれない。
もう一つが反射だ。
通常、肉体は脳からの命令を受けて動く。だが反射は逆に外からの刺激に肉体が反応して身体が動くので、脳を介さない。つまり、頭で考えるより先に身体が動くのだ。例を挙げると、熱い物や冷たい物に触れた時、びっくりして身体が動くアレだ。
そしてこれこそが、俺が探していた答えだった。




