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パラサイト戦記  作者: 五月雨拳人
第一章 生きる目的と、その意味
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第二十二話 発信やんやん、受信ゆんゆん

 まずやるべき事は、俺自身の知識や能力の把握と、それらの向上。

 他者の脳に寄生していながら、俺は脳の事を全て把握して操作しているわけではなかった。それでも何とかなっている現状に甘んじ、向上心を失っていた事に気づいた俺は、次にやるべき事を自身の鍛錬に決めた。

 さて、何から始めよう。

 と、考えるまでもない。当然最初にするのは、自身の把握だろう。自分に何ができ、何ができないのかを知っていなければ、次にするべき課題も見えないというもの。兎にも角にも己を知る事が第一だ。

 しかし、改めて考えると、脳という奴はとんでもなく複雑な器官だ。今さらだが、我ながらよくもまあこんなものを操れるものだと思う。

 ともあれ、息をするのが当たり前のように、俺は他者の脳を乗っ取って身体を操れる。それは、魚が生まれながら泳げ、鳥が空を飛べるのと同じような天性の能力だ。この当たり前のようにできる事を改めて深く掘り下げて考えると、うまく言葉で説明できないものがある。だが今はそれをやらねばならないので、頑張ってやってみよう。

 まず脳の構造。これは宿主によって様々だが、今寄生している狼など脊椎動物を総じてみると、大きく三つの塊に分類できる。

 まず大脳。次に小脳。そしてそれらを繋ぐ脳幹。詳しい話は省くが、俺は脳の各部に自分の触手を打ち込み、身体を操作している。

 操作と言っても、自分が動いているイメージがそのまま信号となって脳に送られるので、この作業はこれ以上深く掘り下げられない。脳に電気信号を送って身体を操作している。この部分がはっきりしていればここはそれでいいのだ。

 だがふと思いつく。俺は今まで自分が信号を送る『送信』ばかりしてきたが、宿主からの『受信』はしてこなかった。例えば記憶とかを抽出する事はできるのだろうか。できるのなら、今後必要となる場面があるかもしれないので、試してみよう。

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