8、涙
朝。
あの夢はなんだったんだ?たしか中学卒業直後のことだっけ。そしてあの少女は・・・あきらかに実央だった・・・。
実央が突然うちに来て、なぜ俺の名前を知っているのかは思い出した。だが、理由がわからない。
結局、実央はなぜあんなところに独りでいたのだろう。
そんなことを考えているうちに、俺は違和感に気づいた。俺が寝ていたベッドに実央が入って寝ていた。ベッドは小さいので、例の抱き着かれる形だ。
しかし、いつもの安らかな寝顔ではなかった。
『こいつ・・・泣いてるのか・・・?』
実央の顔には、あきらかに一晩中泣いていたであろう涙のあとが残っていた。
そういや、昨日風呂から出る直前少し様子がおかしかったな。
俺はこの子の過去になにがあったのかは知らないが、なぜ今さらここにきたんだ?それになぜ「嫁になる」なんだ?
『ん・・・おはよー圭佑』
『っ!』
考え事をしていたのですっかり不意をつかれてしまった。さっきのは・・・聞かないでおこう。
『おい、なんで俺のベッドに入ってるんだ』
『えー、だって寒かったんだもん!くっついて寝たら暖かいしね』
なんか毎回すぎて驚きも無くなってきたな。慣れって怖い。
『あれ?!もう8時じゃない!学校行かなきゃ!』
『あーほんとだ』
『のんきに言ってないで、ほら仕度して!』
結局今日も世話女房に急かされるハメになったのだった。詳しいことはまた今度聞くか。




