4、お昼寝
『やつは見つかったか?』
『いえ、こっちにはいません!』
『くそー、どこに隠れやがった・・・』
――ふぅ。なんとか見つからずにすんだがこれでは迂闊に出られないぞ・・・。
まったく、実央はえらいことしてくれたぜ。わざとだな、抜目ないやつめ。
次の授業まであと2分・・・。サボって屋上で休憩することにする。どうせ教室にも居場所なんて無いし。
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『うはあ〜〜、解放されたぜ〜!』
学校の屋上で大の字に寝転がる。あと2時間くらいはのんびりできる。放課後はやつらが諦めて帰るまで隠れておこう。
『けーいーすーけっ!』
不意に声をかけられてうろたえる圭佑。しかし、すぐに安堵する。
『なんだ実央か・・・。お前もサボりか?俺が言うのもなんだが、授業でないとさっぱりわからなくなるぜ?』
『大丈夫だよ。あたしはちゃんと予習してるし。ていうか実は高校生の範囲はもう理解できてるから、出席日数が足りてれば問題ないんだよ♪』
『まじか?!お前頭いいんだなー』
『大好きな圭佑とのんびりできる時間が増えると思ったら軽いもん』
大好き、と面とむかって言われることに慣れていない圭佑は一瞬で赤面する。
『なんでだろうな、なんかお前のこと昔から知ってる気がする』
『あたしも。さっき聞かれたときは適当に答えたけど、実は圭佑のうちの前に立つまでの記憶がないの。わかるのは名前と、圭佑のことが好きだってことだけ。』
『不安なのか?』
『そうだね。いつのまにか知らない場所にいて、わけもわからず気持ちに従って動くだけだもん。正しい保証なんてないし。でも、あたしが頼れるのは圭佑だけだし、信じてるから辛くはないよ』
『そっか。じゃあ俺がついててやるから、無くなった記憶を探そうぜ』
『フフ♪ありがと』
実央は最初から最後まで笑顔だけは保っていた。
『ふあぁ・・・、なんか眠くなってきちゃった。』
『寝るか?まだまだ時間はたっぷりあるしな』
『うん。おやすみ』
実央はそれだけ言うと、3秒もたたずに眠りについてしまった。俺は実央の隣に寝転がり、きれいな寝顔を眺めていた。




