3、転校生・・・?!
『実央は俺の嫁か・・・。悪くない・・・かも?』
休日明けの月曜日というものは憂鬱なものだと思うが、なぜか今日はすっきり目が覚めた。実央はもう起きてるみたいだな、一階からいい匂いがする。
『おはよ!圭佑♪』
『おぅ。うまそうだな』
『もうすぐできるからね!』
新婚生活よろしく会話する俺たちだが、実際には一昨日会ったばかりなのだ。
何はともあれ、朝飯を食い終わったので学校へ。
『よう圭佑氏!こんな時間に来るなんて珍しいな!雪でも降るんじゃね?(笑)』
『声が大きいぞ、直樹氏。俺の耳が悲鳴をあげておるわ』
教室に入って早々にクラスメートの直樹が話しかけてくる。まったく、こいつは朝からうるさいな。ちなみに聞いた話によると、こいつの睡眠時間は夜10時〜朝5時らしい。じじいかよ。乾布摩擦でもやってんじゃないのか?
『それよりさ、今日、急に転校生がくるらしいぜ!なんでも女の子らしい!我等にもまだチャンスがあるかもしれん!!』
我等、というのは俺も含むクラスの十数人の男子で形成される『非リア充同盟』のことだ。
『転校生だと?いいって、どうせ無理だし』
そこでガラッという音と共に担任教師が入って来る。俺は話を聞くつもりなど毛頭ないので窓の外を眺めて思考を停止させる。窓際の席は最高だな。
『――というわけでよろしく!実央って読んでねー!』
・・・え?えええ??
『えええええええええ?!?!?』
はっ、しまった。あまりの出来事に叫んでしまった・・・。皆からの視線と白けた空気が俺にのしかかった。
―――――――――――――――
『なんでお前が学校にいるんだ!?』
『編入したのよ?やっぱ一緒にいられる時間は多いほうが幸せだもん♪』
人気のない場所の筆頭、体育館裏である。
『はぁ・・・とにかく、学校ではあんまり話しかけないでくれよ。俺の立場的に危ない』
『え〜・・・わかったよぉ』
俺は教室に戻る。その後ろで実央はニヤリと不敵な笑顔を浮かべていた。
―――――――――――――――
休み時間の教室では転校生のお約束である質問攻めが続いていた。女子を中心に、男子もけっこういるな。まぁ実央はかわいいからな。
『実央ちゃんってどこに住んでるの?』
『どこから来たの?』
『部活には入るの?』
『趣味は?』
よくもまあそんなに質問が沸いてくるな。ってか、直樹、がっつきすぎだろ。目が血走ってるぞ。そんなやつが目の前にいても笑って接する実央。優しいやつめ。
『でさあ実央ちゃん、このクラスで気になる男子とかいないのかい?』
直樹が目をギラギラさせながらそんなことを聞く。少なくともお前はないな。って、しまった!
『じつはね、あたしもう旦那がいるんだぁ〜。婚約もしたのよ♪』
『『ええーーーー!!』』
あ〜、やべえ、逃げよう・・・。
『だれなの?幼なじみとか?』
『ううん。圭佑だよ!一緒に住んでるの』
えっ――。そんな空気が教室を流れる。そして全クラスメートたちの視線は再び俺へ・・・。
『あ、あはは〜』
苦し紛れに。直樹を見ると・・・、あれ、無表情だ?
『圭佑、俺はずっとお前のことを親友だと思っていた。だが、仲間に黙って美少女とあーんなことやこーんなことをするやつは友達でもなんでもないんだ。ただの裏切り者、つまりは敵だ』
『ま、まて直樹、誰もあーんな(ry)をしたなんて言ってないぞ。それにがっついてたお前が人のことを言える――』
『問答無用だ!!野郎ども!やっちまうぞ!!』
オオオー!と声が上がると同時に俺は教室を飛び出す。この、とばかりにちらっと実央を見ると、満面の笑みでウインクしていた――。




