2、休日
結局、意味のわからないまま一日が終わり、また朝が来る。ちなみに、今は休日の8時である。
『まだ隣の部屋にあの子がいるのか・・・?たしか・・・実央、だったよな』
俺は女の子との交遊がまるでないんだ、家に上げるなんてもってのほか。
『もしかしたら夢だったかもしれないな』
いや、夢であってくれ、と願いながら隣の部屋へ。なにがあるかわからないので、念のために中の音を聞く。よし、何も聞こえないな。
そっとドアを開けて中を覗く。
誰も使っていないベッドには手を付けた様子がなくきれいなまま。部屋に何かが増えたわけでもなかった。
『やっぱ夢だよな、ハハッ』
しかしそれはそれで少し残念かもな、けっこう可愛かったし。そんなことを考えながら1階のリビングへ行くと――
『あっ圭佑!今起こしに行こうと思ってたんだよ!』
『夢じゃなかったあああぁぁ!!』
エプロン姿の実央は満面の笑みでこちらを見ている。
『なんでエプロンなんて着――なん・・・だと・・・?』
テーブルには、あ、あ、朝ごはんと思われるものが並べられているではないか・・・。
『休日でもちゃんと起きないとだめだよ?ほら、座って座って』
言われるがままに席につく。
『いただきまーす!』
『い、いただきます』
白米、味噌汁、目玉焼き、野菜炒めが少し。どこかの漫画にでてきそうだな。
10分後。
『う、うまかったぜ・・・ありきたりで改良のしようがなさそうなのに、ここまで美味しくできるものなのか』
『えへ、喜んでもらえてうれしいよ♪』
人生で最初に食べた女の子の手料理が最高にうまくて、俺、幸せです。
完食したところで実央が話しかけてくる。
『ねぇ、圭佑はなんで一人暮らしなの?部屋がたくさんあるから引っ越してきたわけじゃないんでしょ?』
『両親が働き者でね。今は海外なんだよ。一応弟もいるんだが、付いてっちゃったんだ。だから今は一人』
海外で不自由するより日本でまったりするほうが好きなんだよ、俺は。
『そんなことより、実央はなんでうちにきたんだ?説明してくれるんだろ?』
『あ、そうだったね。じゃあ教えてあげる』
一息ついて話しだす。
『あたし、圭佑の嫁になりにきたの!』
『ぶっ!!よ、嫁だとぉ?!』
『そ!だから圭佑はあたしの旦那なの♪』
そんなこと勝手に言われてもな・・・。とりあえず出まかせ言っておどかしてやろう。気が変わるかもしれん。
『お前、わかってるのか?夫婦ってのは・・・その、あ、あーんなことやこーんなことをするんだぞ!』
俺は大丈夫なんだろうか・・・。一方、実央はキョトンとした顔で言う。
『なにそれ、わかんない』
しかし、すぐに満面の笑みに戻る。
『あたしは圭佑といっしょならどんなことがあっても平気だよ♪』
俺弱すぎるな。もういいや。
『ところで、なんで俺なんかの嫁になりたいんだ?』
『えっと、それはね――?』
『?』
『・・・なんでだっけ、思い出せないや』
『?まあいいや(よくないけど)』
なんか話がややこしくなりそうなので一旦切ることにした。これ以上不用意なことは聞きたくないぜ。
『とりあえず俺出かけるから。昼飯は勝手に食っといてくれよ』
『えー!お昼も作ってあげようと思ってたのに!どこ行くのよー』
『教えないし連れても行かないぜ。じゃあな』
『むぅ〜・・・』
早く出てしまおう。
―――――――――――――――
夜9時。
『ただいまーっと。ん?』
実央はリビングのテーブルで突っ伏して眠っていた。テーブルには昼飯らしきものがなぜかフルコース並の量で置いてあった。
『なんでメインディッシュが二つも――あ』
そっか、晩飯だな。まったく、しっかりしすぎだろ。とりあえずこの子を部屋に運ぶか。
結局、置いてあった食料は全部食べた。実はちょっと期待して、昼飯を抜いていたのだ。
『おれも寝るか。明日学校あるし』
明日は半日家にいなくてすむから脅威は無いな。
一応、次話から本番みたいな感じで予定してます。。。




