28、え・・・そんなに?
『ねぇ、ほんとに圭佑置いて来ちゃって大丈夫?』
実央たちは年越しそばの材料を買いに近所のスーパーに来ていた。実央は気絶した圭佑を置いて一人遺してきたことを気にしているようだ(ただ、気絶させたのは実央なのだが)。
どういう成り行きかを説明しておくと、圭佑に強烈な頭突きを食らわした実央が、圭佑が動かなくなったことを早百合に報告したら、『だいじょぶだいじょぶ。むしろうるさいのが落ち着いたから今のうちに買出しね』ということで今に至る。
『大丈夫だったら。あいつなら目覚めても実央ちゃんを探しに来るから』
『そうだよ。今はあいつのことほっとこうぜ』
二人して圭佑のことはあまり興味がないようだ。実央は常に圭佑はいないかとあちこちをきょろきょろ見回している。渋々買い物に付き合うものの、やはり圭佑のことが心配で仕方ないようだ。
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俺は道端でゼエゼエと息を切らせて立ち止まっていた。
『ったくよぉ・・・。あいつらで行きそうな場所ってあとどこだ・・・?』
俺は家をでてから、ゲーセンを初め実央たちが行きそうなところを全速力でランニングしながら回っていた。おかげで真冬にもかかわらず汗だくだ。
『ん?スーパーか・・・。あいつらくるか?一応入って探してみるか』
立ち止まったところがちょうど近所のスーパーだったため、最後の望みをかけて入ると、
『あっ、圭佑!』
『おっと?!』
実央たちが出てくるところだった。これぞ灯台元暗しってやつか。こんなところにいるなんて全然想像もしなかった。どうもイメージ的に遊び歩くことしか思いつかない。
『まったく、見つけるの遅すぎでしょ。実央ちゃんすっごく心配してたんだから』
『いや、置いてったのはお前らだろ。実央はまだしもお前ら2人は確信犯だろうが』
『あれ、ばれてたのか。てかお前やっぱり実央ちゃんにはとてつもなく甘いな』
うるせ。とにかく合流できてよかった。しかしなんでこんなところにいるんだ?ここに3人でくる理由がよくわからない。なにか買うものでもあっただろうか?
『年越しそばの材料を買いにきたのよ』
『え?あれ、うちになかったっけ。4人分くらいはあったはずだぞ』
『なに言ってるの。あれだけで足りるわけないじゃない。圭佑って小食だっけ?』
なん・・・だと・・・?まさかどんぶり一杯のそばを食い足りないというのか、こいつらは。
『あ。でもあたしも同感だよ』
実央まで早百合に同意する始末・・・。今後の実央の食費が大いに心配だ。いつもそんなに食べてたっけな?いつのまに大食い娘になってしまったんだろう、俺の嫁は。お兄ちゃん、いや、旦那は悲しいよ。太らないでくれよな。
『だから10人前買ってきた』
『さすがに食い過ぎだろ!!』
これはツッコミせざるを得ないだろ。てか、その金はどこからでてるんだ?うちのじゃないだろうな。
『圭佑の財布からちょっと拝借したよ』
『くそがあああああああ!!!』
どうりで財布に入れたはずの札がなくなっているわけだ。まったく、今月はもう余裕ないんだよぉ・・・。
『まぁいいじゃん!これでお腹いっぱい食べれるでしょ?』
『まぁ実央がいいなら問題ないけどな』
あ、やべぇ、俺やっぱりデレてるな。多分今だかつてないくらいデレデレな顔してるだろうな・・・。
『そこっ!圭佑デレんなっ!!』
やっぱり。
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