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27、ずっと

日は進み・・・。



――大晦日。



その年の最後の日であり、一年を締めくくる日。そんな日でも、俺の側に実央がいるという「日常」は変わらないのだ。

思えば、実央と出会ってからまだ数ヶ月しか経ってない。しかし当初の「非日常」はもう微塵も見られない。



『圭佑、今年ももう終わりだね』


『あぁ、一年ってあっという間だよな』



ただ、会話の受け答えや行動に対する反応はさほど変わってはいない。なぜか最初から家族、まさに兄妹のように、実央は振る舞っていた。



『家族・・・か』



俺は一人暮らしで孤独な毎日だった。寂しかった。共に生活を有する人が欲しかった。だから実央のこと、すんなり受け入れられたんだな。



『なぁ実央』


『なぁに?』


『俺のことほんとに好きなのか?』


『今さら何言って・・・、あ、もしかして、クリスマスの夜のこと思い出したの・・・?』



実央の言う通り、俺はクリスマスの夜に遭遇した非日常を気にしていた。あの時なんであんなことを叫んだのか、自分でもわからない。『お前じゃなきゃだめだ』と。勢いかもしれないが、あれは兄妹のような間柄で発するような言葉じゃない。



ようするに、俺は、恋愛対象つまり彼女として実央を愛してる、その実感がまだ掴めていない。



『あたしは・・・間違いなく圭佑が好きだよ?だから疑わないで・・・』



実央が俺の目を直視してそう告白する。その眼差しはなんだか寂しそうだった。



そっか、実央がいつでも俺のことを好きだと言えるのは俺を100%信じていたからだったんだ。俺はそんな実央を疑ってたんだな・・・。




『・・・ゴメン。実央・・・、実央は俺の恋人だよな。わかりきってることだよな。疑ってすまん、お前のこと信じるよ』


『うん♪わかればよろしい!でもはっきりしなかったのはあたしのせいでもあるから、仕切り直しね』



実央が俺に向かい、手を差し出す。



『圭佑、あたしの恋人になってくれますか?』


『あぁ。恋人になろう』



俺は実央の手を握り、聞き返す。



『実央、こんな俺でも構わないか?』


『もちろん♪』



俺たちは改めてお互いの気持ちを確認し合った。これで俺の迷いも消えた。しばらくは非日常が続くだろうが、それも一つの刺激だ。

俺は実央を抱き寄せ、実央も俺を強く抱く。



『ずぅーっと・・・そばにいるから・・・もういなくなったりしないよ・・・圭佑のこと・・・大好きだから・・・』



実央の俺を抱く力が強くなる。



そこで俺はあることに気がついた。



『・・・実央』






『前より胸の弾力が・・・』


『ばかあああああああああ!!!!』



俺の脳天に実央の強烈な頭突きが炸裂した。



『圭佑、ここはシリアスシーンなのよ!』



俺は断末魔に実央がそう言ったのを聞いた。


―――――――――――――――


目が覚めると、そこはベッドの上だった。どうやら気を失っていたようだ。部屋には誰もいなく、しん――と静まり返っている。静まり返って・・・?いや、おかしい。この家にあの3人がいて、騒がしくないわけがない。俺抜きでもしっかり盛り上がるはずだ。



『ということは・・・!』



俺はベッドから飛び出し、家の中を巡った。が、予想通りだれもいなかった。どうやらでかけてしまったようだ。



『くっそー・・・俺を置いてどこ行ったんだ、あいつら?直樹と早百合の電話番号は知らないし、実央はケータイ持ってないし・・・』



完全に連絡がとれない。ったく、これじゃあ合流のしようがないぞ。どこに行ったのかはわからないが、とりあえずその辺にいるかもしれないし、家を出て行きそうなところを回ることにした。




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