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25、直樹と早百合

家に帰ってからはやることもなく、ただのんびりするだけだった。ひたすらくつろぐ。俺はポニーテールをもきゅもきゅ。



実央をハグするように座る。俺は壁にもたれ、実央は俺に身体を預けて安定している。この体制になると実央はすぐに眠ってしまうようだ。まるで猫のように丸くなって寝ている。



『いいわねー、実央ちゃんは安定の旦那様がいて』



早百合が皮肉っぽく言う。直樹はだらしないから、とでも言いたそうだったが当の本人は既に爆睡中だ。ほんとにこいつらはどういう経緯で関係を持ったのかさっぱりわからない。



『あたしと直樹のこと?』



さっき思ったことは全て声にてでましたとさ。せっかくだから聞いちゃおう。



『なんで、ってねぇ・・・。実央ちゃんがいなくなったときにさ、あいつ、人一倍必死になって捜してたんだ。どうせ下心あってのことだと思って話しかけたら、「圭佑が落ち込んでるなんてありえない、あいつはあんなんじゃダメだ」って』



いつも男勝りな性格の早百合が乙女のように話すのは変な感じがするな。



『直樹ってけっこう友達思いなんだ、って見直しちゃったんだよね。それで一緒に行動するようになって、そしたらなんだか意識しちゃって、こいつのこういうトコ好きだな、って』



それで告っちゃった。そう言ったとき早百合は真っ赤になって俯いていた。

しかし直樹がそんなにイイヤツだったなんてな。気づかなかったぜ。俺も見直してやろうかな、と思ったら。



『ん〜・・・実央ちゃ〜ん・・・ぐへへ』


『『!!!』』


直樹が信じられない寝言を発した。



『このっ!浮気もんが!!』


『てめぇっ、人の嫁に何してんだよ!!』


『ぐはっ?!』


―――――――――――――――


俺と早百合から渾身の一撃をもらうことになった直樹は必死に弁明していた。



『別になんにもねえって・・・実央ちゃんとの妄想なんて見てねぇよぉ』


『じゃあさっきの寝言はなんだったのよ』



早百合はケダモノでも見るような目で直樹を見下ろす。うん、やっぱりこっちのほうが早百合っぽいよな。



『まったく・・・直樹が見ていいのはあたしだけなんだからね!』


『はい・・・肝に銘じます』



ん?直樹は気づいてないみたいだけど、今、早百合デレなかったか?デレたよな?まさかのツンデレ属性か!?

いやぁ早百合にしろ直樹にしろ、意外な一面が見れたな。



ふと時計を見ると夜中の1時を回っていた。今日は酒はでなかったけどさすがにもう眠いな。


『とにかく、もう遅いし寝ようぜ。実央は俺が部屋に連れていくよ』


『そうだね。じゃあおやすみなさい』


『おやすみ』



あれ?あれ?あいつら俺の部屋に入ったよ。しかも二人で?どうしろってんだ。

とりあえず実央を抱き上げて部屋に連れていく。体重はそんなにない実央だが、やはり眠っていると重かった。



やっと部屋についてベッドにそっと寝かせると、実央が俺の首に腕を回してきた。多分無意識だろう。しかし割と力が強くて引き離せない。



『・・・離れたくないってか。しゃあねぇな』



どうせ他の部屋で寝ても勝手に入ってくるし、今夜はここで一緒に寝てもいいか。



ベッドに入り、実央をそっと抱きしめた。

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