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19、喪失、悲しみ

実央がいなくなってもう一ヶ月。街はイルミネーションに包まれていて、今夜のクリスマスの準備は万端だ。


―――――――――――――――


一ヶ月前、実央が走り去ったあと、俺はあれこれと思いを巡らせながら家に帰った。



リビングのテーブルには、メモが置いてあった。そのメモには、



『ごめんなさい。圭佑には迷惑かけたくなかった。あたしのことはもう忘れて。』



と書いてあった。



その後一ヶ月間、実央は学校にも姿を見せず、家にも帰って来なかった。


―――――――――――――――


俺はあてもなく冬の街を歩いていた。寒さでかじかんだ手が震える。



『うぅ〜さみぃっ、コーヒーでも買って飲むか』



近くの自販機で暖かいコーヒーを買い、歩きながら飲む。一人で歩いてるとどうも締まりがない。今までは実央がいたから・・・。



圭佑の頭の中は実央のことでいっぱいだった。街に流れるクリスマスソングなど気にならないほどに。煌めく電飾も暗く感じるほどに。



ふと、学生に評判のケーキ屋で足を止める。せっかくのクリスマスだしケーキくらい食べようか。



ショーウインドーの中に並ぶケーキを眺めていると、甘いものが大好きだった実央を思い出す。



『実央の分も・・・、買って帰るかな』



結局、イチゴのショートケーキとチョコレートケーキを一つずつ買って店をでた。


―――――――――――――――


圭佑は家の近くまで帰って来ていた。



この近辺には二つの気配しかなかった。



一つは圭佑のもの、そしてもう一つは・・・。


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