第57話
休日の6日目。
借りた馬車に荷物を積み込み、みんな一緒に新居に向かった。
玄関から一歩踏み入ると、歓喜の声が広くておしゃれな空間に響き渡った。
「いやー。すごい家だね。こんなに豪華なところに住んでいいのかな」
いつも冷静なノアでさえ、少し興奮気味のようだ。
「なんか、俺たち、一気にレベルアップしたような感じだな」
ベン、一体何のレベルアップかな?
ダイニングテーブルのどこに誰が座るか議論が白熱していたところに、昨日購入した家具が運ばれてきて、再び歓喜の声があがる。
みんなの意見を聞きつつ、なんとか部屋の割当を済ませると、それぞれ荷物を部屋に運び入れた。一通り片付け終わると、みんなダイニングテーブルに戻ってきた。自分の部屋が持ててうれしいせいか、みんなにんまり笑顔だった。
「リアム、素敵な化粧台、ありがとう」
カリンのうれしそうな顔を見てたらこちらもうれしくなる。
「どういたしまして。気に入ってくれてよかった。フレアが選んでくれたんだよ」
「フレア、ありがとう」
「いえいえ。私は選んだだけだから。新しい家具はみんなリアムが報奨金で買ってくれたの。リアム様、ありがとうございまーす」
「リアム様、ありがとうございまーす」
他のみんなもフレアに続く。
「ちょっと、そんなふうに言わないでよ。みんなが協力してやったんだから、みんなで分かち合うのは当たり前でしょ」
「まあ、そうだな。みんながんばったからな」
「それでね、今晩、これまでの慰労と引っ越し祝いを兼ねて食事会でもどうかなと思ってるんだけど」
「それ、すごくいいね。ご馳走楽しみ」
今にもよだれをたらしそうな勢いのベン。
「ローラ師匠とエリン師匠も誘っていいかな」
「ああ、もちろんさ。2人にもいろいろ助けてもらったしね」
大きな楕円形のテーブルを9人で囲んでいる。ひとりひとりの顔を見回していった。最初はフレアと2人だけだった。
この1年間でいろいろなことが起こって、みんなと出会って、こうして助け合える仲間がいるって本当に幸せだな。
「カンパーイ」
リアムは飛び切りの笑顔で祝杯をあげた。




