ネズミは嫌いですか?
「ネズミは嫌いですか?」
「好きな奴なんていねえだろ⋯」
「そうですかね。いろんな方がネズミに会いに高いお金を払っていましたよ。お子さんからお年寄りまで」
「あんちゃん⋯あのネズミにかまれたらあかんで」
猫助がでかねこになる⋯。
「猫助は猫だからネズミ得意なんじゃないのか?」
「あのネズミはあかん。あのネズミ一匹一匹がなんか変なもんもっとる⋯」
「わかりましたか。さすがですね。このネズミ達は皆、ウイルスを持っています。猫又さんのおっしゃる通り噛まれれば宗太氏も猫又さんも死に至ります」
⋯この量のネズミに一度でも噛まれれば一発で死⋯⋯。ネズミはきっとペスト医師の指示で動くからペスト医師を噛むことは無い。つまり大量のネズミに嚙まれないよう気をつけながら、ペスト医師と戦わなければならない。俺は顔が引きつった⋯⋯。ペスト医師はステッキを高く上げる
「その顔は人間らしい絶望ですね。では文字通り死に至る病にかからないよう頑張ってください」
ステッキを振り下ろす。
ネズミは一斉に俺達に走り出した
「猫助!でかねこ」
「アイアイサー!」
猫助が体をでかくすると同時に俺は猫助の背中に乗り込み、猫助は地面を蹴り上げる。
ペスト医師がまた背中に乗ってこないよう、俺はずっとペスト医師を見張る。
「逃げられては解剖を行えませんので」
ペスト医師の前にネズミがネズミの上にのってを繰り返し道となっていく。道は真っすぐ猫助に近づいてきている⋯⋯
「猫助もっと速く!追いつかれるぞ!」
「わかった。任しとけ、しっかりつかまっとるんやぞ!」
猫助は空中を蹴ってさらに推進力をあげる。ネズミに追いつかれるあと少しのところで、距離が離れた。が、勢いを強めた猫助は止まることができず、そのままメリーゴーランドへ突っ込んだ⋯
「ぶつかる時、ぶつかるって言ってくれよ⋯」
「悪い悪い、あのやぶ医者から逃げるので必死やったんや」
馬の頭が取れ、馬車が壊れたメリーゴーランドはもはやメリーゴーランドとは言えず、戦場の跡地のようにボロボロになっていた
「おや、かなり傷を負っていますね。それでは適切な反応が見られるか不安ですね⋯」
「見れるもんなら見てみいや。わいがおるかぎりあんちゃんは死なへんで」
「そうですか⋯ではやっぱり仕方ありません。まずはあなたを星にするしかありませんね」
ペスト医師は出刃包丁をきらりと見せる。
「逃げるのはもう無理や。わいがアイツやったるわ」
猫助も負けずと爪を伸ばした⋯




