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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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意外と武闘派みたいだね

距離を詰めると猫助は絶え間なく攻撃を浴びせる、が、ペスト医師はそれを軽々と交わす。

さらに、スッと猫助を飛び越えてペスト医師は俺に向かって走り出す

「大丈夫です。手荒な真似は致しませんので、どうか安静にお願いします」

「安静にできる訳ねぇだろ」

さっき言っていた妖力の流れは全く見えない。となれば⋯山勘。ペスト医師の動きは速く考えていることなど出来ない。

頭、腹、胸。どこに攻撃をくらっても致命傷となる。俺は咄嗟に足を守った。刹那、金属音が響き火花が舞う。出刃包丁は見事に足を狙っていた。

「すごいですね。妖力の流れは消したと思うのですが、なぜわかったのですか?」

「お前は俺の内部を見たいんだろ?俺だったら体を傷つけず逃げられないように足を攻撃すると思ってな」

「さすがです。その賢さ。ますますあなたに興味が湧いてきました。やはりぜひ安静になさって⋯」

喋っている半ば猫助がペスト医師の顔面を蹴り飛ばした

「あんちゃんナイスやで。その調子でどんどん攻撃かわしてってな」

「お前の攻撃は一回も当たってなかったように見えたけど、あと何回くらい守ればいいんだ?」

「あんちゃんなにを言うてるの。今一回攻撃当てたで。体感的にあと50回くらいって感じやな」

「⋯⋯今距離あるんだし、また逃げればいいんじゃないか?」

「逃げたいんはやまやまなんやが、また逃げた時背中に乗られとったら今度は包丁で刺される気がしてな。わいあれ喰らったら多分一撃で死ぬで」

「刃物での攻撃はされないと思いますよ。私は宙に浮けませんし滑空能力もありませんので、空に行かれたあなたを落とすにしても衝撃を吸収していただく方がいませんと私が衝撃で死にますので殺すことはできません」

ペスト医師は平然とした顔で教えてくれる。まったく綺麗なマントをぱっぱと払うと、ステッキを地面につけた

「では、同じ戦いでは視聴者の方も飽きますし、宗太氏のことを知ることも出来ませんので」

ステッキの触れた地面にはマンホールが現れる。マンホールは内側に何かいるようで、中心からヒビが入る⋯⋯。中からは数百匹を超える小獣が出てきた⋯⋯

それはかつてペストを伝播させた猛獣⋯ネズミであった


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