開幕
その声が始まった時、俺は何より先に猫助を召還した
「へい!あんちゃん!ワイやで。話は全部聞こえとる。っさ!頑張るで」
「お前のその元気さが頼りになるぜ」
「今会場にはぱっと感じたところあんちゃんとワイで勝てる敵は100人くらいおるで」
「え、そんなにか?」
「ああ、勝てん敵はざっと50ってとこやな」
さっきまでの緊張が馬鹿馬鹿しくなってきた。俺が妖怪初心者と言えど、戦闘経験はそれなりに踏んできてる。よく考えてみたらそれくらい簡単なことだった
「ってことは俺は上位三分の一ってとこか」
「ちゃうで」
「へ?三分の一より少し下って感じか」
「いやいやちゃうであんちゃん」
「だって150人中上に50人、下に100人だろ?なら大体俺は三分の一くらいじゃないか?」
俺の問いに猫助は「言い忘れてたんやが」と初めて
「あんちゃん&わいで勝てるのが100人、負けるのが50やが、同じくらいの強さのやつは500人おるで」
悪寒が走った⋯。同じくらいなら運よく勝てても、体力的にもう一人同じレベルに合えば俺はやられる⋯
「ビビっても相手が手加減してくれるわけやないから、気張っていくで」
「⋯猫助がいてくれてよかったよ。誰か話せる人がいるっていうのは結構安心できる」
「ふ、ほなよかったわ。まぁわい人やなくて猫やがな」
「そうだな」
猫助は体を人間より少し大きいくらいの姿になった
「言い忘れてたがワイは死んでもあんちゃんの妖力がある限り生き返らせることができるし、わいを同時に二体三体出すこともできるから、困ったらとりあえずワイを出してな」
「そんなに便利なのか」
「自分の妖力量を調整しながら頑張るんやで」
俺の妖力量ってどのくらいなんだ⋯。あずきに聞いておけばよかった
「オーラから見た感じお兄ちゃんはとても強いって感じではなかったけど、大丈夫なんですか?」
「何とかなるんじゃないかな。猫助もいることだし」
「適当だねー。あずきちゃんの家来なんでしょ?」
「適当じゃないよ。信頼してるだけ。適当で言ったら君の修業の方が適当だよ」
「僕が大事だと思うことを教えただけだよ。君の師匠でも同じことしたと思うし」
「私の師匠は人に教えたりなんかしないよ」
「それは意外だね。あずきちゃんが強いのは師匠さんの賜物だと思ってたのに」
「師匠は適当でも毎回なぜか勝つから、それを見て学んだんだよ」
「いいですね。お二人とも師匠さんがいて。私にもそんな人欲しかったですよ」
「僕は師匠はいないよ」
「そうでしたっけ。でもお友達さんといるときに強くなったって聞きましたよ」
「⋯まぁそうかもね」
文豪は足を組みなおした
「あずきさんもあの元気なお友達といてだいぶ強くなられたんじゃないですか?」
「⋯あいつを殺したかったからね」
変な雰囲気が広がる⋯。あずきは文豪を見て
「そういえば、受験者に面白そうなのがいたよ。喜劇王だって」
文豪はそっと口元を固めて
「あずきちゃんは非道いね]
少しのあいだ三人は沈黙した




