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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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79/85

じゃ頑張ってね

あずき耳打ちしっぱなしの筆記試験が終わり、セリア像に戻ると、文豪とリリスが座っていた。こっちを見るなりリリスは頭を下げる。俺には妹ができたのだ。そうに違いない

「性犯罪者にだけはならないでね」

あずきがそっとささやいたが⋯⋯頑張るとしか言いようがない。

「筆記試験お疲れ様です。この後は実技試験もありますのでお互い頑張りましょう」

「任せてくれ」

「ちゃんと僕の言った通り呼吸するんだよ。そうすれば常時猫助を出せる」

「え、呼吸しか教えてないの?」

あずきが文豪にそういうと、文豪は当たり前のように

「たった二日で宗太君を強くすることは不可能だ。必然的に猫助だよりになる、それなら猫助をいつでも出せるようにすることが最も大事だと思ってね」

その呼吸も、二日でマスターできるものではないと文豪は言っていたし、俺の体感的にも呼吸法が変わった気がしない⋯

「まぁそう焦ることはないよ。どうせ宗太君の相手はみんな戦闘経験の少ない素人なんだし。もし戦いが難しくても今回のは順位ポイントが大きいからデカ猫助で逃げ続ければいいだけの話だよ」

文豪は他人事だからお気楽だ⋯

「文豪は初めての時何点だったんですか?」

俺が聞くと

「150人くらい倒した後あずきちゃんに負けてだったから結構順位は高かったよ」

「そうだね。文豪とはそこで知り合ったから。私はその後残り全員を倒して一位だったから君は二位だったんじゃないかな」

「昔のことがからあんまり詳しく覚えてないや。リリスちゃんは?」

「私は始まった瞬間に魔法で全員倒したので一位でした」

「そんな感じで適当にやれば結構良い順位取れるから心配することはないよ」

文豪は俺の背中を軽く叩いた。この三人が化け物なのか、新人戦は今までと比べかなり優しい敵ばかりなのか⋯


試験会場に入ると風が吹いたら倒れてしまいそうなほどひょろひょろのおじさんが、さっき聞いたルール説明をもう一度してくれ、その後「じゃあ頑張ってください。ご検討を祈ってます」と俺に向け手を合わせた。次に目を開けばそこは遊園地であった。周りにはちらほらすでに転送された妖怪が待機する。

「広場では勝ち目はないだろうし。逃げるとなれば観覧車⋯いや、観覧車は逃げ場がねえな。となるとお化け屋敷か⋯それも暗闇なら俺が不利か」

順位ポイントを目指す俺は少しでも自分が生き残りやすい場を目指さなければならない

「皆さま大変お待たせいたしました」

ところどころに設置されたスピーカーから女生と思わしきクルーの声が響く

「それでは皆様。現在より実技試験の開幕です!!」

花火が撃ちあがった。昼間の空であるにもかかわらず、色どりが鮮やかだった。

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