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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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大変そうだね

「お疲れ様。基礎身についた?」

くたくたで部屋の扉をあけるとあずきが5chanで書き込みをしているところだった。

「なんで勝手に使ってんだよ」

俺の声はか弱く、あずきが聞こえたかどうかも怪しい。

「俺はネオン街にいた。街と言ってもただあるお店で遊技していただけなんだが、それは東京のネオン街に匹敵するほどの華やかさだったため、そう表現した方が良いと思った。賑やかな席に洗練された店員の態度。そのせいで店を出ると初めて静けさというものを感じることができた。いつの間にか夜になっていたみたいだ。俺はこの日常に潜みあまり皆に知られていない、人間が必要とするものを再認識するため4万円も払ったのだ。だからそう悔やむことは無い。御遊技は御遊技。こんなことで感情を揺らすほど子供でもないだろう⋯⋯⋯⋯。くたばれパチ屋、金返せ。

良い文章だと思わない?たかがパチンコにこんなものを書いて。時間を忘れてみてしまうよ」

あずきの朗読の最中に激しく睡魔が襲ってきて半分も内容が頭に入らなかった。とりあえずで

「そうだな」と俺はベットにダイブする。ひんやりした冷たさが、俺を包んでくれ目を閉じれば寝てしまいそうになる

「汗かいてるだろうから寝る前に体洗った方がいいよ」

「うーん。めんどい」

「汚かったら猫助が嫌がるんだよ。猫助は綺麗好きだからね」

「猫って汚いイメージあるけどな」

「毛づくろいをしたり決まった場所でしかトイレしなかったり、犬よりかは綺麗だと思うよ」

こんな意味のない会話をしている間にもどんどんお風呂に行きたくなくなる⋯⋯

「今猫助だしてないけど、判定的には俺のなかにずっといるって感じなのか?」

「そうだよ。出してないときは五感も考えていることも共有されてる。だから君が「浅田さんハアハア」をしたら猫助にも全部バレるからね」

「しねえよ!ってか「浅田さんハアハア」やめろし」

「まぁ呼び方は何でもいいけど。明日も文豪の修業あるから早くシャワー浴びて寝てね」

明日も謎の深呼吸があるのか⋯⋯。お風呂のお湯の温度を低くして長時間浸かっていれば風邪をひけると聞いたことがある。試してみるのもありかもしれない

「じゃ入ってくる⋯」

「まって」

せっかく乗り気になった俺をあずきが突然止める。あずきは椅子から立ち上がり、リボルバーを抜いた

「おい、どうしたんだよいきなり。ゴキブリでも出たのか?」

「誰か来客が来たみたい⋯」

真剣な顔のあずきに俺も恐る恐る一階までついていく。

玄関の扉を開けるときあずきは銃口を外に向け、いつでも引き金を引けるよう指をかけてあった。

「遅くに申し訳ありません。少し話があってきたのですが、今お時間よろしいでしょうか?」

丁寧な言葉に朗らかな顔。俺はその顔を見て、すこし体が震えたのを感じた。

「あ、ああ。別に大丈夫。上がって行ってくれ」

「いいの?こいつが安全かどうかの確証はないけど」

「大丈夫だ⋯俺の勘が言ってる」俺は地震の無い声だった。そいつの強さをはっきりと学校で見たからだ

俺はなまはげ、麻生翔太を二階に連れて行った

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