君だって死ぬよ
魔女は紅茶を台に乗せて運ぶ。真紅の紅茶には白い湯気があがり、その隣の小皿には薄くスライスされた檸檬が寝ていた。
「おかわりが欲しかったら遠慮なく言ってください」
紅茶は市販のものと思えないほど味わいが深く、なんだか心があったまる。そのおいしさに俺はほとんど一口で飲み干してしまった。さっきも文豪からのコーヒーを飲んできたのでさすがに三杯目は飲めそうにない。
「それで、本命なんだけど」
あずきはそっと視線をリリスに向ける。
「最近妖怪度の高い妖怪に命を狙われてて力を貸してほしい」
「そうなんですか。わかりました。微力ですけど私なんかで良かったらぜひ力になりたいです」
面倒くさいとさらった断った文豪とは反対に、リリスはあっさりと賛同した。
「具体的には何をすればいいんですか?」
「今それの関係のことを調査してるから、戦うときになったら一緒に戦ってほしい」
「そういえば学校の文様ってどうなったんだ?」
俺たちは黒い犬が文様の黒幕は学校の怪談だと言ったので戦った。なのに俺もあずきも血女を倒した後疲労で倒れてしまったので、文様に関してはわからないままだった
「猫助が私たちを家に送ってくれた後、また学校に戻って文様を調べてくれたらしいんだけど、文様に関して全く何も見つからなかったらしい。猫助はこういう時見落としたりしないから、考えられるのとしては普通じゃ見えないところに文様があったか、死ぬ前に文様を隠したか、それともそもそも黒い犬が嘘をついていたかだね」
「どれにしても進んでないことは確かだな」
「知性の低い妖怪ほど操るのは簡単だ。文様で黒い犬を操ってあずきちゃん達を殺すため学校の怪談と戦わせたんじゃないかな」
優雅に紅茶に口をつけながら文豪は持論を述べる。
「確かにそういわれればその可能性もあるね」
「可能性は無限にあるから先入観を持たずに、すべての選択肢を残しておいた方がいいよ」
「まぁ今は何かわかるまで待機じゃないか?」
「そうだろうね。それじゃ、リリスが協力してくれるの決まったわけだし、私たちはもう行こうかな。文豪はどうするの?一緒に帰るの?」
「僕もここらへんで帰ろうかな。お金はまた今度返しに来るよ」
「そうですか、なら玄関まで送りますよ」
魔女は玄関まで見送った。文豪は軽く「じゃあまたどこかで。あずきちゃんの家来の君もちゃんとしっかり危なくなったらすぐ逃げるんだよ」と手を振って別れた
今日は朝から文豪に出会っては食い逃げを行い、恐ろしい姿を想像した魔女はロリでとてもしっかりした人と一日大変な日だった。そのせいか家に帰るとバタンキューのように俺は眠った。
あずきは俺の横で寝るとは考えられないし、椅子の上ででも寝たんだろう。
その夜はまだ春であるにもかかわらず、蒸し暑い夜だった。
エアコンをつけるべきだったかもしれない。
皆が寝静まった丑三つ時⋯。俺は死んだ




