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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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63/85

名はあずき、極悪にて

「君の邪魔が無かったら絶対にこんなに重症にはならなかったと思うんだけど?」

「過程ノ話ハ何トデモ言エマスカラネ」

「あっそ。君はまだそれを解く気はないんだ」

「エエ。私ハアズキガ死ンデソノママ私ガ死ヌコト二ナッテモ構イマセンノデ」

あずきはソレを睨んでいた。


目を開ければ、そこは見覚えのある天井だった。

あれから何日たったのか。体感では丸3日ほど眠っていた気さえする。

それでもメッセージ一つ来ていないスマホは無情に翌日であることを俺に伝えた

「おはよう。だいぶ寝坊助だね。死んだかと思ったよ、死んでくれても良かったんだけど」

ロリの姿のあずきは俺の椅子でだいぶひどいことを言った。

「俺が死んだらポテチ係がいなくなるんだろ?」

「そうだった。生きててくれてありがとね」

あずきはだいぶ小生意気になったもんだ。それでも、最初の頃の表情一つ変えない死人顔よりはずいぶんよくなった方だ。俺はゆっくり体を起こす。ところどころで痛みが走った。

「あんまり無理しない方が良いよ。君は私までとはいかないものの人間にしては攻撃をかなり受けてるから。気づいてなかったと思うけど何本か君の骨折れてたんだからね」

「え、骨折れてたのか?」

「そうだよ。ていうか、今も折れてるけど」

俺は慌てて体をベットに戻す。あずきはどこの骨かわからなかったものの、痛み的に肋骨が折れている気がする⋯。俺の素直な行動が面白かったのかあずきが笑う。なんでこいつはこんなに平気そうなんだ⋯絶対に俺より重傷を負っているはずなのに⋯

「⋯あずきは大丈夫なのか?腹貫通してたけど⋯」

「状況としては最悪一歩手前だね。ロリ姿だから何とか生きてるけど、あの血のせいで回復するのに手こずってる」

あの血は妖力を乱すと言っていた。その回復に妖力が必要ならそれはとんだ障害になるだろう⋯

「だから昔の仲間を探すことにしたんだ」

あずきは座ったまま椅子を動かし、パソコンの画面を俺に見えるようにする

画面には「5chan」と書かれていた

「なんで5chan?」

「あ、これ違う。これさっき私が見てたやつ」

タイトルには「自分の家来死にそうなんだが(笑)」と書かれていて、「グウェー死んだんゴ」とコメントが書かれていた

こいつは人のパソコンを許可なく勝手に使ってるだけじゃなく、なんてこと書き込んでんだ⋯

あずきは何事もなかったかのようにマウスを動かし次のサイトに移動する

そこには「あなたのパートナーが絶対見つかる!出会い系アプリ!」とにぎやかなフォントで書かれていた⋯

「なんで出会い系?⋯」

「出会いたい人と出会えるんでしょ?猫助がこれ使えば自分の探している人に出会えるって教えてくれたから」

猫助はふざけていったのか、それとも妖怪だから機会に疎くて本当におすすめする気でやったのか⋯

どちらにしよ、あいつ何やってんだ⋯⋯

「それで昔の仲間を探したいんだけど、なんて検索すればいいと思う?自分のプロフィール入力も性別はできたけど、年齢入力したら相手が後期高齢者しか出なくなったし、職業に「妖怪退治(協会公認)」っ書いたら、「職業欄は大事なところなため真剣にお答えください」とか、そもそもログインとかアカウント作成がうまくできなくて何十回もやり直してたら「不正な動きがみられます。スパムの可能性があります」って出てくるし」

あずきはため息をもらす。俺はどこからツッコめば良いのかわからず口が開かない。ただ「そりゃ大変だったな」と考えることをやめた。

「あ、今から一人だけ連絡取れた人とカフェで会うから」

「え、それで?連絡取れたん?」

「メッセージが来てて話してみたら昔の人で。まぁ、詳しいことは多分あったら分かると思うから」

あずきはとりあえず、俺に着替えろとせかす。今日学校がある人間の俺のことなど、こいつには微塵も気にならないんだろう


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