もっと恐ろしいのが来たみたい⋯
「可愛いロリだな」
俺は空気を明るくしようと本音をあずきに伝える
「キモイ。ありがとう。死ね」
あずきは軽く笑って見せた
「あんちゃん、いつかほんまに殺されてもしらんで」
猫助も頬をあげながらそう言った
「じゃ、真剣に頑張るよ。もう来てることだし」
あずきは暗闇にリボルバーを向ける。続いて足音が聞こえ、鬼の顔が見えた
辺りに緊張が走る。だが、なまはげは立ち止まってゆっくり鬼のお面をとった
「驚かせてしまってすいません」
その顔、その声は俺とあずきが知るものだった
「翔太⋯?」
「そうです。いきなりこんな時間にこんな格好で怖がらせてしまってるのはもちろんわかるんですが⋯その、できれば銃口をおろしてもらいたいです⋯」
翔太は申し訳なさそうに小さく頭を下げる。だが、あずきは全く銃口を外さなかった
「あずき、構えなくてもいいんじゃないか?あのクラスメイトの麻生翔太だぞ?」
「知ってるよ。それでも今お面を外して話すまで全く分からなかったってことはそれだけ、妖力を操るのがうまいってことだし、さっき言った私の波紋探知でも翔太の存在は一切確認できなかった。こいつはそうとうな手練れだよ」
あずきは淡々と事実を述べる。俺は何も言い返せず俺までも翔太への信頼が揺らぎ始めた⋯
「僕はもともと普通の一般的な人間だったんです⋯」
翔太は少し悲しそうな顔をし口を開く、そこである音が重なり翔太の言葉をかき消した
「ピンポンパンポーン。現在、血女はみなさまの前方にいます」
アナウンスが鳴り終わる。目の前には体すべてが真っ赤な血で染まった少女が声を出さず笑っていた
「きゃ」
血女が可愛げに手を挙げる。刹那、血女の手のひらから大漁の真紅の血があふれ出す。
あずきは構えていたリボルバーをそのまま血女に向けて発砲する。
血女平気な顔でそれを交わす。突如、血の中から太いこぶしが現れあずきを殴り飛ばした
「あんちゃん、なまはげ!それに触れたらあかん」
だが俺のくるぶし辺りまではすでに血で浸っている。
「みなさんここは僕が」
翔太はすぐに姿をなまはげに戻ると包丁を握り、血女との距離を縮める⋯⋯
そこでまたアナウンスがなった
「ピンポンパンポーン。現在麻生翔太は一階教室前にいます」
次の瞬間にはもう麻生翔太はこの場から消えていた⋯




