私と私、弱点は同じだヨ
猫助はいつもの姿の状態で色の無いあずきに蹴りを入れる。
完全に気配を無くしていた猫助の攻撃は見事、あずきの後頭部に決まった
「気を取られすぎタ⋯」
攻撃をくらう色の無いあずきは、体勢を立て直し銃口を猫助に向ける⋯。そこであずきは色無しあずきに向かって発砲した⋯
弾丸は当たりはしないものの、色なしあずきのセーラー服にかする。
あずきは椅子を投げつけ一気に距離を詰める。
拳が交わる。猫助の攻撃が響いているのか、色無しあずきはやや劣勢だ。
「猫助!」
「へい!」
あずきと猫助、どちらもの攻撃が色無しあずきに直接決まった
「っチ⋯」色無しあずきの舌打ちが鳴った
あずきと猫助は攻撃をやめず、色無しあずきはただ防戦一方となっていった
「私は手数がすくなく体力もそこまで多くないし一対多に弱い」
あずきが色無しあずきに殴りかかりながらそういう
「⋯しかたないかナ」
色なしあずきがぼそっとつぶやき、一瞬瞳を閉じた⋯
次の瞬間、色無しあずきのまわりには赤黒い炎が上がっていた
教室の中には油の焼けた匂いが広がった
あずきと猫助は瞬時に距離を取る。だがあずきの額には焼き跡がついていた
「あずきはん⋯この炎って⋯」
「使えるんだ⋯」
あずきの顔からさっきまで微かにだけあった余裕の表情が消える⋯。炎は床を燃やし、少しづつ火を大きくしていっていた
「君、この炎に当たったら人間程度なら一瞬で骨しか残らないから絶対に当たったらだめだよ」
「敵の前で弱点を言うのは良くないと思うヨ」
色なしあずきが笑みを浮かべた。そして黒い炎が真っすぐ俺に飛んできた
咄嗟に屈み、黒炎は俺の頭上を通る。行儀よく並べられていた机はほんの一瞬で真っ黒に焦げていた。
「少しでも遅かったら死んでたな⋯」
安堵の音をもらす俺に色無しあずきがすかさずリボルバーを構えながら至近距離に攻める。引き金を引いた
弾丸が俺の顔面に当たるよりわずかに早く、あずきが俺を抱えたおかげで弾は当たらなかった。
「君、攻撃喰らってない?」
「あずきのおかげで何とか⋯」
自分の心臓が跳ねているのが分かった⋯かなり強い跳ねだった
「あずきはんも炎使えないんですか?」
必死に色無しあずきに攻撃を仕掛けながら、猫助が声をはじけさせる
あずきは猫助に当たらないよう調整しながらリボルバーで援護射撃をしながら
「使ったら学校が燃えるかもしれない⋯」
「嘘だネ」
色なしあずきが猫助を殴り飛ばた。すぐあずきに近づいて
「残っている妖力量的に炎を使うのはリスクが高いから使わないんじゃなくて使えないんダ」
二人の拳が重なる。紫色の閃光が走った。あずきは徐々に拳が押され始める⋯。
色無しあずきが笑った⋯。あずきはリボルバーの銃口を色なしに向ける
次の瞬間、色なしあずきがあずきの体を蹴り上げた⋯
あずきの体は無防備に攻撃をくらい壁に打ち付けられる。あずきは息を喘がせながら壁に倒れた
色なしあずきはゆっくりあずきに近づき、銃口をあずきの頭に合わせた⋯
「今度こそ終わりだネ。それともまた猫又が隠れて狙ってるのかナ?」
「あずきはん!!ここは一旦逃げましょ!」
ぼろぼろになった猫助が叫んだ。
「私が逃がすと思ってるノ?」
色無しあずきは無情に、あずきの両足を撃った⋯
赤い血が流れた⋯
「あずきはん!!」
「うるさいヨ。夜なんだから静かにしテ」
色無しあずきは猫助に銃口を向ける。その時、気づけば俺の体が勝手に動いていた。作戦などない⋯ただあずきに死んで欲しくなかっただけだった
俺はほうきを振りかぶる。色なしあずきは鼻で笑いながら俺の腹を蹴った。
「人間が私に勝てる訳ないでショ?」
色無しあずきは俺の顔面に銃口を向けた。
俺は蹴られた腹を押さえながら色無しあずきを睨みつける。それしかできなかった⋯
その時、暗闇の中で何かが月の光を反射し輝くのが見えた。刹那俺はそれが何か目視する。
飛んできた包丁が色無しあずきの腕を簡単に切り裂いたからだ




