まずいやつが来たみたいだね
直後あずきは引き金を引く。だが色無しあずきも瞬時にリボルバーを放ち、弾は空中で互いにぶつかる
「確かに手負いかもしれないけど、私と君とじゃ3対1。勝てる算段があるの?」
「もちろん。私が考えなしでくるはずないでショ?」
あずきの声が入り混じる。俺はかつて感じたことのない恐怖に体が震えた。
「⋯あんちゃん。ワイらも戦わなあかへん⋯。」
猫助の声はとても低かった⋯その一言が俺の震えを止めた。冷静になったのではない。さらなる恐怖に体が震えることすらできなくなったのだ。
「これは「魔の鏡」。鏡に映った者と全く同じ力の者を生み出せる。私が映った可能性があるのは私がトイレの花子さんを倒した直後。簡単に言えば、こいつはほぼ無傷」
「本物のわたしはてけてけの時の腕を治したり、リボルバーの関連だったり、体を妖力で固めたりでまあまあ妖力をつかっているみたいだネ。その妖力の波紋みたいなの妖力の消費量すごいみたいだし止めたほうがいいんじゃなイ?」
この夜の学校は時間が経てばたつほど学校の怪談の力は強まってしまうため、あずきは二手に分かれ効率的に倒していかないと勝機はないと前回の時の経験のおかげで理解していた。だが宗太を猫助に預けるにしても、猫助の能力が味方を守るのがそこまで得意というわけでもない以上、何かあった時にあずきがすぐ駆けつけるために敵味方の位置を知っておく必要があった。そのためあずきは学校に入った瞬間から微細な妖力を体から波紋状に広げていた。
それによりあずきは二人の体力がどれくらいあるか分かることに加え、敵の位置も大まかに把握することができていた。だが妖力をその場にとどめるのは至難の業、あずきはそれを短い間隔で妖力を飛ばし続ける力技で可能にしていた。それはもちろん妖力消費が普通より高いことを意味する⋯⋯
そのすべてを色の無いあずきは理解していた
「そこまで全部理解できるんだね。まぁ私のコピーならできて当然なのかな」
あずきはゆっくり銃口を下げる。
「降参かナ?私が死を選ぶなんて考えられないけド」
色無しのあずきは決して銃口を下げない。
「一つ確認したいことがあるんだけどいいかな?」
「私が命乞いを聞くとでも思ってるノ?」
「絶対に聞かないと思うね。だから勝手に喋らせてもらうけど」
あずきは続けて
「君は鏡を壊せば色の無い私も死ぬんだよね?」
あずきの問いに、色なしは「さぁ、どうだろうネ」と濁す。
「で、次の質問だけど、君がもし今私を倒したら君は消えるの?それともオリジナルの生死にかかわらず、朝が来るまで生きてるのかな?」
「残念ながら死ぬヨ」
「嘘をついた。一つ目の質問の時と二つ目の時とじゃ妖力の流れがやや違うよ」
そこで色なしのあずきは引き金を引く⋯弾丸はあずきの胸にあたった⋯
「惜しかったネ。君は私の妖力の流れを読むことに必死になりすぎだと思うヨ。それをよんだところでほぼダメージの無い私と、疲弊している本物とじゃ勝ち負けは元々ついてたんだシ。難しく頭を働かせてたせいで簡単な自分の前提を忘れたみたいだネ」
俺は景色が歪んで見えた⋯。目の前でまたあずきが死に瀕していた。ほうきは握る手は固い。それでも口を足は動かない⋯。俺はあずきの顔を見た。あずきの目はまだかすかに開いていた
「⋯最後に⋯いいことを教えてあげるよ」
あずきの声がかすれていた
「⋯人間は自分で見つけたものを⋯真実だと思いたがる。⋯それがフェイントだともしらずにね」
「確かに人間はそういう特徴が多いと思うヨ」
「⋯それは⋯⋯妖怪も一緒だよ」
次の瞬間、色の無いあずきの背後から猫助が飛び出した




