あんちゃん。頼んだで
「あんちゃん、大丈夫やわいは治癒できへんけどあずきはんは軽いけがとかなら治せるから致命傷だけ気を付ければあんなんただの子供だましや」
「こいつの言うことが本当なら投げる速度も上がるんだろ?⋯⋯なら当たれば致命傷は避けられねぇぞ⋯」
「⋯⋯⋯当たらんときゃええ話や」
猫助は俺を安心させるため、そんな軽口をたたく猫助の声のトーンは分かりやすく下がっている⋯
当たれば死⋯⋯
この間にも二宮金次郎はさらに薪を背中から取り出し、地面には小さな薪の山が出来ていた⋯
「時間が経てばたつほど相手有利になっていくやつだよな⋯」
「せやな⋯⋯あんちゃん⋯3数えたら一斉に飛び掛かろか⋯。わいが先頭に行くしあんちゃんがほうきでやってくれ」
「いや、お前だってあたったら重症だろ⋯」
「ほんでもわいの方が生きとれる可能性は高いからな⋯⋯ほないくで⋯1⋯⋯2⋯⋯」
俺は息を呑む⋯
「3!」
俺たち二人は同時で飛び掛かる。二宮金次郎は冷笑を浮かべながら薪を投げつける。軌跡なんて見えないほどそれは速かった⋯
一つははずれ、もう一つは猫助の正面に向かってくる。猫助は体勢を構え両手で飛んでくる薪に手を伸ばす
「あんちゃん!今や!!」
俺は猫助がどうなったのか確認せず、全力でただ走る。
俺の体は二宮金次郎が再び薪を構えるより先に攻撃圏内にはいる。
さっき俺は二宮金次郎に殴られた⋯。俺は咄嗟に体勢を低く下げて、下から二宮金次郎の頭めがけ突き刺す。
だが二宮金次郎はそっとそれを交わした。それでも俺はほうきを突き刺す。
二宮金次郎の反射神経と運動経験が皆無な俺とでは避けられる可能性が高い⋯⋯だから俺はもう一つ策を考えていた。俺のほうきは鋭速に照明に突き刺さった。
ガラスが砕け火花が散る。火の粉が二宮金次郎の背に抱えられた薪にかかる。刹那二宮金次郎は灼熱につつまれ火だるまになった
「あんちゃん危なかったな。結構ギリギリやったで」
「だな。てかあずきはどこ行ってんだよ。俺ら二人なげてあいつは逃げたのか?」
「あずきはんは他の怪談のとこ行ってんとちゃうかな。多分二宮金次郎みてわいらで勝てると思ったんやと思うわ」
毎度のこと敵の説明を全くあずきはしない⋯⋯。二宮金次郎も全然俺らで対処できるレベルじゃなかっただろ⋯⋯。そんな事あずきに言っても「でも二人で倒せてるよね?」と言われ黙るしかなくなるのが目に見えている⋯。




