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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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ワサビには殺菌作用があるんだよ。まぁ猫にあげたらだめだけど

そこは市民プールのような場所だった。ただ一つ普通の市民プールらしくないところで言えば、そこに男は俺しかいなかった。右を向けばあふれんばかりのスイカを持った美女、左を向けば断崖絶壁の童女、俺の肩を揉むのは半世紀前まで数多くの男から求愛されてきた熟女⋯⋯⋯熟女?

俺ははっと振り向く、熟女はにまにま笑いながら「今あんたが見とれている女も時期に私のような干し芋ボディになるんだよ」渋い声だった⋯

そこで俺は目を覚ます。

時計の針は11時ちょうどを指していた

「なんか苦しい顔してたけど怖い夢でも見たの?」

「あぁ、皆最後には干し芋になるらしいぜ⋯」

「ちょっと何言ってるかわからないし、どうせろくなことじゃないのは分かる」

心臓が速く跳ね、シャツが汗で冷たくなっている。

「出発まで時間あるしゆっくりしててもいいよ」

「ならあずきの顔でも見てよっかな」

「そういうのはイケメンの人が言うからかっこいい良くて、君みたいな根暗陰キャが言ったら陰で馬鹿にされるだけだよ。「「明日暇やなー」「じゃお前の顔でも見てよっかな」「いや、山田宗太か!」って感じで」

実際に中学の頃同じ陰キャ仲間の奴が似たようなのでネタにされていたのを思い出す。

「ま、まああずき以外に言わないから別にいいし」

「じゃあ次浅田茉奈の姿になることがあったら女子グループで言っとくよ」

「すいません。勘弁してください」

「こんな冗談言えるってことはあんまり君は緊張とか身構えたりとかしてないみたいだね」

言われてみれば、今から夜の学校に忍び込んで学校の怪談を見るのは一般人からしたら少しは怖がったりするもんかもしれない。だがサンタクロースに黒い犬となんどか経験している俺にとって、今更、小学生が盛り上がる程度の学校の怪談にどうこう思うことは無かった.

「そろそろ猫助が来るから冷蔵庫から魚介類の何か持ってきてくれる?なかったらツナ缶とかでもいいし」

「いちおう俺の家なんだけどなぁ」

俺は階段を降りる。残業かお父さんは帰ってきていなかったが、お母さんはお腹を出しながら体を大の字にしていびきをかいている。投げtばされたであろう部屋の隅に固まった布団を広げお母さんにかける。

おいしそうなマグロのお刺身があったので、猫なのでいるかわからないが醤油とワサビもついでに持って二階へ上がった

「ごめんくだはい。わいやで」

部屋入るとちょうど猫助が窓をから顔を出してきていた

「お、ナイスタイミングだな。お前のおやつ用意していたところだぞ」

刺身パックを開き、プラスチックのパックを裏返し皿にしてそこに醤油を入れ、ワサビを猫助に差し出す

「お、おおきに。あんちゃん醤油とワサビってのは分かってはりますな。やっぱ刺身をそのまま食べるのは味気ないでっからな」

猫助はあぐらをかいて座る。ワサビを醤油の中に混ぜ、素手で刺身を持ちワサビ醤油につけ頬張る。

「あんちゃん。悪いんやが酒とかってないんか?ウイスキーとかウォッカみたいな強いやつ」

「欲しいなら私が用意するよ。もちろん請求額は今日の報酬から引くことになるけど」

「いやいやほんならやめときますよ。さすがにあずきはんに手間かけるわけにはいきまへんから」

多分用意される酒はぼったくりバーが可愛く見えるほどの金額を請求されるんだろう。

「お刺身食べて少ししたらもう行くからね」

そろそろ始まる。最後の晩餐にならないことを祈りつつ俺も刺身を手でつまんだ。猫助の分量の刺身醤油は微かにあった眠気が一瞬で覚めるほど辛かった

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