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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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40/41

君、それは変態じゃなくて犯罪者だよ

「他意は無い。他意は無い」

芳醇にかおる柔軟剤の香り

「他意は無い。他意は無い」

風で靡く軽いスカート。折られたスカートに柔らかいカーディガン。俺は今女子高生になっていた

言葉に出している通りこの行為に他意は無く、木を隠すならもりのなか戦法であえて自分も女子の服を着ればぱっと見バレないだろうという読みだった。陸上部更衣室から適当にサイズが合いそうなのをさくっと取ってきて男子トイレの個室で着替え鏡を見ると、案外女子っぽく見える気がしてくる

「意外と俺ってかわいいかもな。目覚めそうな気がしてしまうぜ⋯」

女装しているいま男子トイレにいるのもおかしく思われてしまうので、男子トイレを出て俺は堂々と女子トイレに入る⋯⋯てっきりバラの香りでもすると思っていたが思ったよりだいぶ臭い⋯

そりゃ行為自体悪臭が出る行為以外しないので当たり前っちゃ当たり前なんだが

「早く終わらせないと♡」

放送室で聞こえた女子の声を参考にそれっぽい声を使う。幸いすべての扉は鍵がかかっていなかった

一つ目二つ目三つ目。流されず放置されたうんこがあったのと便所飯の残飯と思わしきものがあったくらいで他にこれと言っておかしいものはない

ただ四つ目の扉に手を伸ばしたとき、扉は逆に俺の方に向かって空いた

「え?」

「へ?」

俺と女子生徒ともに驚きの声をもらし刹那悲鳴が飛ぶ。疑われないよう俺も負けじと悲鳴を上げた。

女子生徒はすぐ個室に逃げたので、なぜか俺も3番目の個室に入る。

視界には見えないが壁一枚挟んですぐ右に女子生徒がいる。しかも叫ばれたということは俺の顔を見て男だと判断した可能性が高い。俺は考える。女子トイレに入ろうとした時の思案とは比べ物にならないほど考える。さっき出てこなかったガリレオガリレイ的な思考はやっぱり出てこない。

が、4つ目の個室の扉が開く音が聞こえた⋯。出てきた足音はゆっくり近づき俺の入る3つ目の扉の前に立つ。静かに二回ノックされた。女子トイレ侵入だけでなく陸上部員の制服を無断で使用⋯⋯あとついでに陸上部の部室で全員の鞄の中(下着も含む)をちらっと物色したのがばれれば少なくとも停学いや退学は確実⋯⋯。俺は固唾をのんだ

「あ、あのすいません。あれですよね、その、多様性の。本当にすいません。わたしそういうことに慣れていなかったので変態の男の人が入ってきたんだと思って。本当にすいません」

女は深々5、6回下げて出て行った。

勘違いしてくれたおかげで退学は免れたみたいだ⋯。本当に多様性で苦しんでいる人がいるのに、ただの女子高生の脱ぎたて制服で女装している自分が申し訳なくなってきた。

とっとと終わらせて制服を返そう。個室を出て4つ目のトイレを確認して俺はすぐ女子トイレを出た

「あ⋯」

俺はまた声が漏れた。あずきが立っていたのだ

「君、さすがに女子高生の下着を勝手に持ち出すのはコンプラ的にダメだと思うよ」

スカートに護身用お守りとして隠していたパンツをあずきは指さす。

社会的絶体絶命⋯⋯それでも地球は回っている


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