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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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35/42

お弁当の起源は5世紀までさかのぼるんだよ

「暑そうだなどこ行ってたんだ?」

「部長に呼ばれて部活に関係するもの色々の位置の確認とかをしてたんです。もう給食の時間終わりそうですね」

翔太が時計を見ながら席に座る。残り7分ほどしか残っていなかった。

「間に合うのか?」

「僕は人より食べるのが遅い方なんで多分無理だと思います。だから好きな食べ物だけ食べてしまおうかと思って」

翔太が開いた弁当箱の中はハンバーグにミートボール、唐揚げとあずきの後であることを差し引いてもガキ舌な俺には宝石箱のように見えた。宝箱のダイヤモンド唐揚げを一口で頬張る翔太に俺は抵抗できず釘付けになっていった。速足で噛み終わり次に翔太の箸はハンバーグに向かって行く。ケチャップがかけられた大きなハンバーグを箸で半分に割り口に運ぶ。

(明日はお母さんに唐揚げとハンバーグを入れてもらおう)そう自分に言い聞かせ静まらない体に理性で押さえつけた。その後の授業は歴史と自主だけだったので、特にできることは少ないがあずきから聞いてから翔太を気づかれないようちらちら見ていたもののやっぱり怪しいとこは見当たらない。

帰りホームが終わりぞろぞろ教室を出る周りと同じように翔太もすぐに部活に行ってしまった。

教室には俺と勉強をしている数人しか残っていなかった。浅田さんの体のあずきは陽キャ女子と楽しそうに「帰りにスタバ寄ろ」と話していたので、スタバに行っているんだろう。俺は席を立ち教室を抜けた。

校庭ではサッカー部、野球部の声が校内では吹奏楽部の楽器の音が響く。

俺を含めた帰路についている帰宅部の人は皆どこか暗い顔をしている。

「帰宅部の友達がいればな⋯」

どこか嘆くようにボソッと口に出た言葉の返事は

「積極的に話しかけないで受け身のままだったら友達なんて相当顔が良くないとできないもんだよ」

俺の影の中から帰ってきた。独り言が聞かれたと羞恥をくらいながらすぐさま振り返ると俺の影からあずきが出てきた

「ひっ。いたのかよ」

「酷いね。まるで幽霊でも見たかのような反応して」

「いや、お前幽霊じゃん」

「私だってもとは人間なんだよ」

影から完全に出てきたあずきは浅田さんの姿をやめ、あずきの体であずきの顔をしている

「妖怪は妖怪なんじゃないのか?死んだ人間がなるのか?」

「妖怪として生まれることもあるし、人間や動物が妖怪になることもあるよ。前世の記憶を持っているのは少数派だけど」

「あずきの前世って⋯」

「言わないよ。」

俺の言葉を遮って強い口調で割り込んできた。

「麻生翔太のことを話したけどちょっと見すぎじゃないかな。多分気づかれてると思うよ」

あずきは話を変えた。それほど前世を知られたくないのか、単純に翔太の話の方が重要なのか。

どちらにせよ前世のことを聞くのは絶対に無理そうなので

「そりゃ久しぶりにできた友達が妖怪かもしれないって言われたら見てしまうのは仕方ないだろ。それでどうなんだ?俺的にはやっぱり普通の人間にしか見えなかったけど」

「私も同じだよ。ただの人間にしか見えなかった。仮に妖怪だとしても危険性はなさそうだから今すぐ関わることは無いと思うし、時間をかけて調べるとしようかな」

あずきがほぼ一日かけて見ても人間にしかないならやっぱりあずきがただ間違えただけだろう。希望的観測も相まってそう結論づけた。家に帰るとまだ4時ごろだというのにめずらしくお母さんが帰ってきていた。仕事が速く終わったのか、有休をとっていたんだろう。わざわざ聞くのもめんどうくさいので「ただいま」と淡白に言って二階へ上がった

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