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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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34/39

麻生翔太って誰?

特に狙ったわけじゃありませんが


「てか、今日は留守番するんじゃなかったのか?普通な顔して登校してたけど」

「それも今から話すことに関係する。君の隣の席の麻生翔太っているでしょ?。君みたいな人に自分からしゃべりかけるのはおかしいと思って昨日の夜色々調べたんだけど、彼についての情報がひとつも見つからなかったんだよ」

「へー。何も見つからなかったなら別にいいんじゃないのか?」

翔太とは仲良くなれそうな感じがする。出来れば良い関係を持っていたいと思っている

「違う。本当に何も見つからなかったの。戸籍も住民票も家族関係も分からない。あの人が誰か聞かれた場合証拠を持って答えることが一切できない人間なんだよ」

あずきは真剣な顔をしている。俺はタコさんのウィンナーを食べながら

「へー……そんなまるで妖怪みたいな」

「そうなんだよ。彼は妖怪の可能性があるんだよ」

タコさんを噛んでいた口が止まった。今この瞬間まで噛んでいたウィンナーが人間の肉でも噛んでいるかのように気持ちの悪い感覚に感じてくる

「いやいや、ただのあずきの調べ間違えじゃねぇのか?翔太はどう見たってただの優しい人間じゃねぇか」

「確かに調べ間違えの可能性はある。だから直接見て確かめる為に今日も来たんだよ」

翔太は自分の机に居ない。トイレかどこか違う場所で食べているんだろう…。それが何か気味悪く感じてしまう

「それで何か変だったか?」

「今のところ、全くと言っていいほど妖怪の可能性はない。君より十分人間らしいと思うし。けどまだ安心はできないから麻生翔太に悟られないようにこうやって昼ごはんの時間に言うことにしたんだよ」

ここでようやくあずきは弁当の箱を開けた。俺のお母さんはあずきの存在を認知していないので作ったのはあずき本人ということになる。多くの弁当は茶色1色になりやすいがあずきはそれとは違う1色。ポテトチップスの黄色1色だった。あずきは手を合わせ「いただきます」と人間らしく言い、素手でポテトチップスを食べた

「いや…空気ぶち壊れなんだけど…。ここシリアスな場面じゃないの?」

「君もご飯食べてるし私も食べようかなって」とバリバリ音を立てる

「お弁当に規則とかはないけど大体普通の食事だぞ。アメリカの学校じゃあるまいし」

「日本の女子は健康に気を使って野菜をよく食べるってネットで書いてあったから、郷に入っては郷に従えで私もじゃがいも食べようかなって思ってね」

「大体緑とかの野菜を指すんだよ…」

だが所詮弁当サイズ。ポテチが歪んだ形をしているせいで弁当には少しの量しか詰めることはできない。

あっという間にあずきは弁当を食べ終わった……そして当たり前かのように2つ目の弁当を取り出した

「へ…」

「弁当箱に入る量少ないから13個の弁当に分けてきたんだよ」

「へーー ーへへへ へへ  。」

「なんでいきなりモールス信号⋯まぁいっか」

驚愕のモールス信号にあずきは瞳をまばたかせる。同じ時教室に翔太が帰ってきた

「麻生翔太に気を付けてね」

あずきは弁当箱を閉じ机から持ってきていた鞄に詰め込み、そっと席を離れていった。すれ違いのようにやってきた翔太の額には汗が出ていた。微かに暖かいとはいえまだ汗をかくような季節ではない。それなのに翔太はなぜか持ってきているタオルを取り出して汗をぬぐった。

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