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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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31/42

新学期が楽しいなんてのは完全嘘だよ

「良かったら水泳部興味ありませんか?実は今、部員の人数が足りなくてこのままじゃ廃部になるんです」

「ちょっと忙しくて」

嘘だ。あずきで前より忙しい時間が増えたと言え、数時間程度なので入ろうと思えば部活一つくらいなんてことないが、正直めんどくさい。運動部は序列とか厳しいっていうし、こういう部活動あるあるの精神論が本当に嫌いだ。「努力は裏切らない」だの「神は見ている」などばかばかしくてとてもやってられない。

さらに今俺は二年生なので今はいれば後輩がいるけど、歴は自分の方がしたという気持ちが悪い状態に陥るため、敬語を使われるがなめられる、または敬語を使われずなめられる、というのは必至だ。入ってしまえば3年まで抜けることは無理だろうし、そんな状態が二年間も続くのはまっぴらごめんだ。と長々言い訳を並べてしまったものの、正直最初に言っためんどうくさいが完全な理由だ

「そうですか。ではお互い別々のものに頑張りましょうね」

断る俺に翔太は嫌な顔一つ見せなかった。

「はーい、皆さん静かにお願いします!」

その声で皆の視線が教卓に集まる。若くスレンダーな女の先生がぴしっと決まったスーツで立っていた

「このクラスの担任になりました二階堂千夏です。皆さんの保健と体育を担当します。一年間長いようで短いですけど一緒に頑張っていきましょう!」

去年までは魂の無くなった抜け殻みたいな爺さん先生だったが、この二階堂先生ははきはきしているし、去年よりかわだいぶ良いように見える。

「じゃあ皆さんいやだと思いますけど課題の回収です。後ろの人から前に送って行ってください」

俺は言葉を失った。学校にいる黒幕とあずきに殺されるかもしれない卓也のことばかりを考えて最終日にやろうと思っていた課題のことをすっかり忘れてしまっていた⋯⋯。そう、すべてやってないのだ

最後列だった俺は前の席の人に無言で首を振った。そいつは清楚で可憐な顔をした女性だったが俺の無言の「課題はないです」が伝わると呆れた顔で前へ向きなおした

初日早々今年も彼女が出来なそうだな⋯。そこでふと思った。これはあずきも同じはず

だが浅田さんに変装しているあずきを見てみると、平然と課題を提出しなおかつ周りの友達らしき人と楽しそうに笑っていた⋯⋯。

なんで俺は人間になったばかりの妖怪にすら負けるんだ⋯⋯。

「なら翔太⋯俺やっぱ水泳部に入っていいか?」

「え、いいんですか?」

少しでも変わろうと考えた。水泳部でならもしかしたら彼女ができるかもしれない。しかも水泳部は必然的にボディラインが強調される服を着る必要があるので、やってくる女は自分の体に自信がある女。

そんなナイスボディと付き合えなかったとしても、拝むことは確実にできるので水泳部は割とすてたもじゃないかもしれない

「やっぱり体動かしたくなってな」

「じゃあ今日の放課後見学会があるのでぜひ来てください。正面玄関で水泳部は待機してるんでそこから水泳場に移動って感じです」

っといっても俺の感がはずれそこにナイスバディがいなかったらやめとこう。そう思いながらも

「わかった、ありがとう。本当に楽しみで仕方ない」

笑顔を作ってみせた


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