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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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30/40

陰キャの君ってかわいそうだね

だいぶ遅くなった入学式、あずきと出会って色んなことに振り回されたことで他の人より待っている時間はあっという間に感じた。逆に毎日忙しかったおかげで周りの人間よりも活力にあふれている気がする。

だが二年生になったというのになぜ俺は入学式があるんだろうか⋯全く分からない。

「そういえば卓也も同じ高校だけど、目をつけなくていいのか?」

「大元が分かったんだからそっちを叩いた方が効率がいいからね」

去年まで卓也と同じクラスだったが、昨日の夜送られてきていた今年のクラス名簿では残念ながら卓也とは違っていた。いや、あずきから殺される危険が減った分幸せながらというべきかもしれない。

家から出て少し歩いたところで「君と一緒に歩いているところを見られて付き合ってる疑惑が出たらそれこそ浅田茉奈への冒涜になるし、あと万年クリぼっちの君に彼女ができたなんて噂が立って、噂を聞いた君が状況が変わったわけでもないのに、ほんのりいい気になる顔がみたくないからひとりで行くね」とほぼ後者と思われる理由を言ってあずきは俺からやや距離を開けた

浅田さんの彼氏ともてはやされるのはうれしいという気持ちが完全に0とは言い切れないが、自分で浅田さんの名誉のことを言っておいてではに何も言いようがない。あずきとは言え浅田さんの後ろ姿はやはり綺麗だった


眠く眠く眠いだけの入学式が終わり、2,3年生は自分のクラスに連れていかれる。浅田さんと俺は運よく同じクラスなのであずきとはいつでもコミュニケーションが取れる形だ。といってもさっき言った通り恋愛的な目で見られない範囲にとどまらせないといけないので、緊急時以外はほとんど別行動となる。

あずきから俺は変わった雰囲気の人がいないか見るように言われた「卓也って人が黒幕のいるこの学校の生徒である以上、他にもそんな風に文様で変になっている人間がいるかもしれないから」とのことだ

教室を見渡してみてみてもほとんど知らない人ということもあり、どの人が異常なのかよくわからない⋯

ただ去年のクラスから変わったことと言えば、皆が明るい顔をしていた。クラスが変わったばかりだというのに友達のように辺りからは楽しそうな笑い声が聞こえてきた。

それに黒い犬以上の恐怖を感じた。

こういう風に明るい人が多いクラスの場合、普通の人(高校、中学時代陽キャ、中キャだった人)は「みんな友達!」や「みんな仲良く!」と言ったバカげた妄想に走りがちだが実際はクラス団結に見えて95パーセントの人が完全に団結し残り5パーセントが確実に拒絶されるのだ⋯⋯

言わなくてももちろん俺は5パーセント。今年はあずきと出会ってから不幸なことが多い一年だ

「山田さんって何部なんですか?」

ふと隣の男から話しかけられた。いや、男と言うにはどこか変かもしれない、そいつは留年でもしてないかぎり俺と同じ年だと思うが、座っていても背が俺より随分低いのが分かるし、何より顔が幼かった

「多分山田さんが思っていることわかりますよ。見た目のことですよね。僕童顔だったり身長だったりでだいぶ年下に見られやすいんですよね」

「あ、いや別に。そんなに変って感じじゃないけど」

「ならよかったです。実は僕このクラスに友達がいなくて」

「俺もだ」

「ならよかったです、隣の人が話やすい人で」

「部活だけど、俺は何も入ってない帰宅部で。お前は?」

「僕は水泳部なんです。あ、そういえば僕、麻生翔太って言います」

麻生とは珍しい苗字だ。俺でも知っている有名な代議士をほうふつとさせる。それより俺はこいつを初手から少し警戒していた。こいつの女子受けよさそうな幼い顔が厭だったのもあるけど、何より普通の人生を生きてきた人は俺なんかに声をかけないという絶対の自信があったからだ

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