ロリ好きは少しおかしいと思うよ
「あずきさん朝になりました。起きていただけますと幸いです」
「⋯⋯⋯」
寝る時間が遅かったのもあって俺が目を覚ました時には時計の針は真上を指していた。
だがそれでも隣ではあずきが気持ちよさそうな顔で俺は仕方なくあずきの体を慎重に揺らす。
本来ならけが人を無理やり起こすべきではないと思うが、あずきが寝る前に「君が起きたときでいいから私を起こしてほしい」と一言もらっているのでしぶしぶあずきを起こさなくてはならない
「あずきさん。朝⋯昼ですよ。もうおきましょう」
あずきが全く起きる気配がないので俺は死を覚悟してあずきの頭を触って揺らす
「⋯さわんな」
またドスの効いた声であずきが俺の腕を握りつける。だがそれは子供が遊んで握っている程度の力しかなく、続けて揺らし続けるとあずきはようやく瞳を開け始めた
「⋯おはよう」
「おはよ。風呂沸かしてあるけど入るのか?」
「うーん⋯大丈夫、君の家のお風呂を血まみれにするわけにもいかないし」
あずきは浅く伸びをする。伸びに合わせてあずきの体はどんどん小さくなっていった。
「なんでロリ?」
「ロリとは言い方が悪いね。せめて幼女じゃない?」
「いや、幼女の方が犯罪臭がするだろ」
「なら児童」
「完全アウトだから」
ロリになったあずきは足も小さくなったせいでちまちまてくてく歩かざるをえない。かわいらしく見とれていると、我が物顔でポテトチップの袋を4つ手に取りベットに戻ると袋をあけポテチをつまんだ
「あ、君漫画とって」
「本当に怪我してんのかわかんねえな」
「怪我してるからロリなんだよ。この方が妖力の消費が少ないからね」
この姿が拝めるならいつでも怪我していてほしいくらいだ。
「君のその気持ち悪い要望に応えたくないのもあるけど、この姿だと敵と対峙した時もとの姿に戻るロスが生じるからほとんど見せないよ」
今開けたばかりのポテトチップスはもう空になっていて、あずきは二つ目を開けていた
「このまま療養をまってそのあと学校に黒幕を退治しに行くって感じか?」
「だいたいそうだね。けど結構かかりそうだからまずは下調べもかねて君が学校に行く時私も一緒に同行かな」
「え。お前来んのか?」
「大丈夫だよ、君が陰キャなのは見ているこっちが恥ずかしくなるほど感じたから今更変に変えることはないよ」
「そ、そういうことじゃなくてだな⋯その浅田さんが死んでしまったわけだし、あずきがいるとよりそのことを思い出してしまうというか」
数日たった今でも雨にうたれながら首をつっていた浅田さんの表情はよく覚えている。
いつもの静かな人だけど笑ったら素朴な笑みで可愛いあの表情は、死んだ浅田さんからは一切なかった
「それはいい案だね」
悲しみを思い出す俺の心を見てのいるのかどうか、あずきが「案」という言葉を使う
「案って?」
「私が浅田茉奈変装をして学校に行けば学校の妖怪にも怪しまれることなく隅々まで調査できる」
あずきに倫理観などなかった。人間でないのだから、そんなものを求めていた俺がおかしいのかもしれない。あずきは以前と同じように体を醜くぐにゃぐやにさせて自身の肉を変身させる。あの時死んだ浅田茉奈の姿がそこにあった
「あ、山田さん久しぶりだね⋯⋯元気だった?」
「⋯⋯⋯」
俺は何も言えなかった。前の高島さんならあずきが変装しているとだけ感じるが、今あずきがなっている浅田さんは死んでいるし、その体をつかって自分のため何かをするのは死者への冒涜にもとれる
「君は割り切っていたのに実際にこうなると違ったりで本当に面倒くさいね」
あずきは何も言わない俺の頭を覗いた
「そりゃ⋯俺だって人間なわけだし」
「そういえば良く聞こえるけど実際君たち人間の行為は酷いものだよ。こうやって実際に死んだ人間をつかったら道徳に反するとか思ってやめるくせして、君は浅田茉奈が死んだ次の日には気持ちを切り替えてプレイヤーといえ人を殺すゲームをしていたし、口に出したりしなければ思想的な面では相手をないがしろにして、だいぶ自分達勝手だと思うよ」
あずきは浅田さんの顔のままでそういった。それは狙っているのかまるで浅田さんが今言った行動を怒っているかのようにも見える、俺はまた何も言えなくなった




