中華料理は世界三大料理なんだよ
「イラッシャイマセ。二名様アルカ?」
色んなご飯屋さんがぎゅっと一つの建物に詰め込まれた建物の二階のとある中華料理店。店に入るといきなり本場中国から来たであろう、「イ」とネームプレートに書かれた太っちょの店員が俺たちの前にやってきた
「先に友達が入ってるんで」
あずきが平気な顔でそういうと「ソウデスカ」と店員さんは愛嬌ある笑顔で俺たちを中に入れてくれた。
四川の料理を扱う店であるらしく、店のいたるところは赤で埋め尽くされていて、ずっと鼻孔の奥で香辛料が鋭く刺激してくる。あずきに続いて店内をぐるっと一周回り終えると、店員さんに軽く頭を下げて俺たちは店を出た。厨房から聞こえてくるかたことでありながらも元気いっぱいのの「アリガトゴザマシタ」が胸に響いた
「これで8軒目だぞ?」
「まだ五軒目だよ。この建物には料理屋さんが23軒あるし、隣の建物にはさらに32軒ある。建物集約型じゃないのは半径2キロメートル以内に29軒ある。まだ始まったばっかりだよ」
あずきは有無を言わさず俺の手を引っ張って、次の店舗に入っていく。ステーキのお店だった⋯
「な、なあ文様ってのは依頼じゃなくあずきが命を狙われたからただ復習したいだけなんだろ?殺しても一銭も入らないわけだしもういいんじゃないか?」
「家でも言ったけど死んだらお金稼げないからだよ。それと私を殺そうとした人が生きてて見せしめが出来てないってなると、他の人がまた私を殺しに来るかもしれないからね。何日かかっても殺すつもりだよ」
建物の料理屋を全て回り切ったところでやっと休憩したいという懇願が受け入れられ初めに卓也と出会ったベンチで休んでいた。あずきは俺のおごりのアイスクリームをなめながらスマホをいじっている。
多分であってから時間がたったから半径5キロまでの料理店を調べてるんだろう。今日見つけられなかったら、明日には隣接する他県のこともだろう⋯。予想されるさらなる苦労に俺はアイスクリームが進まない。すこしでも紛らわそうと俺もスマホを開く。
「あ、」
俺の素っ頓狂な声が漏れた
「どうかしたの?」
あずきが顔を向けないまま尋ねる。俺は息をすった後自信満々に
「そうだ、いい方法があんじゃん」
あずきはまだ顔は画面を向いているものの片目だけはそっと俺の方に向ける。そのあずきの目に向かって俺は鼻を高くし
「俺とその文様に人友達なんだしラインで呼び出せばいいんじゃん。もし無理でも家しってるから、待ち伏せすればいいし」
「は?」
ここでようやくあずきはおれの方を向いた。ただしいつもよりだいぶ低い声で、殺意むき出しの目をしている
「まだやってないの?普通最初にそれやるもんじゃないの?殺すよ?」
あずきは指を拳銃の形に変え、俺を狙う。銃では無くただの指、わかってはいるがあずきの顔にふざけたようすは一切見当たらない
「妖力は体を守れたり強化するって言ったけど、実際は体の表面を妖力で覆ってるだけなんだよ。妖力は自在に形を変えられるし、飛ばすこともできる」
「わ、悪かったよ。ちょっと急いでて頭が回らなかったんだ。だからその、指をどかしてくれ」
まだ死にたくはない。その思いですぐさま卓也に電話をかけた。
だが、いくら待てどもつながる気配はない⋯。あずきはまだ拳銃の指を下げないので、間髪入れず再びかけなおした。




