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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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17/41

精神的向上心が無いものは馬鹿らしいよ

「そんなこと言われてもなぁ、あずきはん。ただのオシャレタトゥーって言うやつじゃないんです?」

「いや、あれには子供と違う妖力が練り込まれていた。誰かが操っていたか、誰かと主従関係にあった」

「うーん…そう言われても。ほな、あずきはんがワイに依頼出すのはどうです?あずきはんみたいにワイから依頼受ける人にその文様のこと聞いときまっから」

学校が再開までまだ指で数えれる以上に日がある今日の朝、深夜までゲームに勤しみ疲労が溜まりきった俺を、あずきとあの猫の声が起こした。あずきの家来をやらされているので、どうせ今はなしている話には俺も参加させられるので、聞いとくべきなんだろうが…正直面倒くさい。が、変に起きて2度寝することが難しいと寝ぼけた頭がうるさく言うので、眠い目を擦り俺は2人に体を寄せる

「それはいくらくらいかかるの?」

「捜し物に当たるので本来なら連合に言わなくていいんで、値段は安いんですけど、文様を使える妖怪は妖怪度4くらいは超えてると思いますんで、雑に見積もって150から高くて600くらいですわ」

あめふらしの2万円がちりカスに見える金額に、やっぱり俺は静かにベッドに戻る。あずきは少し空中でそろばんを使うように計算すると、俺を見た。真剣に、まじまじと。

「君、お小遣いいくら?」

「いや、絶対に足りんだろ」

「大丈夫。さすがの私でも全額払えとは言わないよ。私が30…いや、20だすから…」

「いや普通逆だろ。てかしれっと30万から20万に下げんな」

「まあ仕方ないかな。じゃあ悪いけど今言ったことは忘れて」

「へい。任してくだせい。わいは守秘義務を徹底してますんで」

猫は「にゃあ」とお辞儀して窓から、どこかへ消えていく。

「じゃそういうことだから」

「…と言いますと?」

「私たちで文様を探すことになったから」

こうなったらもう、俺ができることはあずきに従う他ない。眠い顔を冷水で無理やり整え、朝食も取らないまま家を出た。


「てか、あずきしれっと俺の家いるけど、俺の親にバレてないのか?」

「君以外の人間が2階に上がる階段に足を乗せた瞬間に、怪異で姿を消してるからね」

「へぇー。あめふらしの時って、あめふらしの姿を見ることは出来なかったけどあれも怪異の1種?」

「そうだよ。けどあれは姿を消してるんじゃなくて、怪異で相手の中に入り込んだんだよ。入り込むとただ姿を消しているだけじゃできることは全然違うから」

「うーん。怪異と妖術と妖力って覚えるのめんどそうだな…」

「別に覚える必要は無いと思うよ。妖怪マニアな学者が詳しく分類分けしたくて作っただけだし。それでも覚えたいなら妖力とそれ以外だけでいい。妖力がエネルギーで怪異と妖術がそれを使って稼働する。妖力を体にまとって強化や防御に使うこともできる。それだけだいいよ」

「前縄で首締められた時は妖力で守ったってことか」

「そう。分類上は妖術でも怪異でもなくその他になる」

なんというか英語の文法の授業でも聞いているかのような、使えるんだろうけど難しそうっていう感じがした。

てか、俺はただの人間なんだし覚える必要もないのか

「そういえば文様ってなんのやつなんだ?」

「自殺した子供の額に小さくて見えにくかったけど文様があった。操られてたかどうかは分からないけど、誰かと私の命を狙ってきたのは間違いないから、狙ってきたやつを殺そうかと思って」

「なんかあずきらしくないな。そういうの「お金にならない」とか言って無視するタイプだと」

「死んだらこれ以上お金を稼げないからね」

「へえ」と言おうとした、俺の声をカラスが「カー」と被せてきた。

「君、口からカラスの声だせるんだ」

「俺じゃねえよ」

「そんな冗談は置いておいて」

「あずきが冗談を言った」その事象に目を見開く俺を、置き去りに1枚の紙を見せる。怖気付いてしまう目つけでこちらを睨み、左右ぶっ格好にでかい牙を見せつけヨダレを垂らす黒い犬が描いてあった

「この犬の討伐依頼を少し前から受けてるから見かけたら、刺激しないで私に報告に来て」

「ふーん。随分怖い犬だな。狂犬病にかかった犬の駆除的なやつか?」

「こいつの妖怪名はBLACK DOG。日本語名で黒い犬だよ」

「そりゃ覚えやすい単調な名前で」

「かなり危険で噛まれれば、その箇所をすぐに切り落とさないとどんどん腐っていって最後には死に至るから」

「恐ろしいこと…。なんでこんな犬がこんなに強いんだ?妖怪にしては聞いたことは無いけど」

「こいつを人間医療の言葉に言い換えるとうつ病。日本で200万人、世界で4億人ほどを苦しめている妖怪だよ

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