もういないんじゃないかな
「多分一回にはもう妖怪はいなそうだね」
気まずい雰囲気が流れかけた瞬間にあずきが辺りを見渡しながらそういう。
「なんでわかるんだ?」
まだ1階で見ていない部屋は3つほどある。それなのになぜあずきが「いなそう」と言ったのか。
「波紋だよ」
「ジョジョ的な?」
俺は真剣に聞いたつもりだった。だがあずきはため息をついて「任務中はふざけるとすぐ死ぬから、冗談を言いたいなら強くなってからにして」と呆れながら言う
考え直してみれば確かにいきなりジョジョな訳ないし、ふざけているようにしか見えない。口から言葉を出す前に一度頭の中で考えて見なければならないな⋯
「前学校の時にもそれらしい説明したかもしれないけど」とあずきは前置きして
「常時じゃないけど、私は自分の妖力を自分を中心に波紋状に周りに飛ばしてるの。妖力は自分のじゃない妖力とぶつかった時、摩擦が生じるからそれを感じて敵が何人くらいいるのか把握してるの。強い妖怪ほど摩擦が強くなるから、だいたいの強さもわかるんだよ。もちろん例外もあって、敵が妖力を隠している場合とか私が妖力を安定して飛ばせてなかったらうまく作動しないんだけどね」
そう言えば、学校の時にいた偽物のあずきがそれっぽいことを言っていた気がする。
そしてその瞬間俺は理解した。あの時あずきは翔太が学校にいることを今言ったそれで知っていたんじゃ。
「何考えてるのか頭の中見てないからわかんないけど、多分あってると思うよ」
あずきはそれだけ言って「二階に行く階段探すよ」と部屋を移動した。
「なぁ猫助」
「どしたんや?」
「あずきが言ってた波紋俺も使えるのか?」
「あんちゃんも妖怪である以上できんことは無いで。ただ、安定して波紋を飛ばすってのがすごいむずくてなぁ。わいでもあんまり使えへんからなぁ」
「練習してできるようになりてぇなあ」
「まぁ確かに敵の位置と大体の強さ分かったら生存率まぁまぁあがるで」
「いや、そんなものは別にどうでもいい」
「ほー。ほな何が目的なんや?」
「リリスがどこら辺にいるんかわかるようになりたい!」
偶然を装ってばったり出会って、それで流れでお茶でもして、すはすはしたい!
俺の鼻息は荒くなっていたと思う・




