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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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107/111

そういえば言い忘れていたよ

ストックが切れました

中に入ると季節外れの冷気が体にまとわりついた。

「なんか⋯寒くね⋯」

「君がビビってたから、中に入るまで伝えなかったんだけど」

あずきが辺りをじっと観察しながら

「連合の依頼はだいたい1か月以内に解決されるんだけど、今回の依頼は8か月も掲載されてるままだったんだよ」

「報酬金額が安いとかか?」

「いや、金額は普通より高い。別に人気が無いわけじゃない」

「⋯じゃあ」

「みんな死んだんだよ。応募したのは」

また寒くなった。

少しでも運気をと、玄関でしっかり靴を抜いだ。

「靴は履いておいた方が良いよ。ガラス片とかが、足に刺さったら、死にそうなときに逃げれなくなるよ」

俺は無言で靴を履きなおす。靴棚に一枚の写真立てが目に入った。家族写真らしきもので、旦那と妻に加え三人の女が映っていた。

「家族写真か」

「この中の誰かが妖怪になったんだろうね」

「女の人全員美人だ。その妖怪が女ならいいな」

「さらっとだけ調べたら、夫が浮気して妻がおかしくなって娘の一人を殺したってわかったから、多分妖怪は殺された娘なんじゃないかな」

ってことはさっきの綺麗な手はこの三人の女のどれか。綺麗な手だったから、この三人の中で一番かわいい真ん中の人だろう。

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