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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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100/102

リッツ

「撃破ポイント7、生存ポイント150。潜在能力推定ポイント25、計182ポイント。まぁそこまで悪くないね」

ゼリア像の前に行くと、あずきがそう言った。どうやら俺の特典は良かったらしい。

「文豪さんの鍛え方が良かったんじゃないですか?ずっと猫助さんを出せていたみたいですし」

続けてリリスはペットボトルの紅茶を俺に差し出し「お疲れ様です」と言ってくれた

「何とか喜劇王に勝てたものの、宗太君はまだまだ戦闘のセンスが低いね。ほとんど猫助のおかげだったし」

「これからどんどん鍛えていけばいいよ。生存ポイントをしっかりとってるし、状況における自分の立ち位置を理解しているのは強みだよ」

ひねくれている俺には「君は弱いから、弱者の立ち回りがしっかりできていたよ」と言われているようにしか感じない。

「また僕の特訓は続けるの?」

「いや宗太にはやってもらわはいといけないことがあるから、そっちが優先だよ」

「やってもらわないといけないこと?」

「君が強くなるために必要なことだよ」

あずきが笑った気がした。絶対に過酷なことが待っているんだろう⋯⋯。リリスからもらった紅茶に口をつけた。

「ちょっとトイレ行ってくるわ」

気晴らしにと、その場を離れて感で右に曲がると運よくトイレの標識があった。中には誰もいなかった。俺は小便器にぎりぎりまで体を寄せる。用を足していると、隣に誰かが来て用を足し始めた。

「あ、」

隣から声がした。

俺は隣を見る

「あ、」

俺も口から音がこぼれた。

「あ、どっどうも。リッツです⋯⋯えーと、先ほどは、あの、その本当にありがとうございました。え、っつ⋯⋯」

今さっき倒したばっかりの喜劇王だった。だがさっきまでとは打って変わって、ぼそぼそと目を合わせず下を向いていた。


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