収穫
一心不乱という言葉通りに朝食を楽しんだ後に米の収穫へと向かった。
美味しさについてはすでに全員が認める美味さであり、それに加えて肌を正常ない色に戻す効果というのも相まって全員が眼の色を輝かせていた。
「それにしてもカレンやアイラさんでも日焼けはするんすね」
この2人は『超回復』を所持しているので勝手に治っていくものだと思っていた。
「これが線引きが難しい所なんですよね…まぁこれについては知ってると思いますけど筋肉痛です」
とカレンが説明する。
筋肉痛については俺も経験があるが、これはポーション等では治らない。
身体の成長に伴い痛み等は治すという行為に当たらないという事だろう。
「この日焼けというのもそれに近いんですよ、日焼けっていうのは日を防ぐのに身体が黒くなるという防御機能なので治療はされないんですよね~」
「はぇ~なるほど…そういう原理なのか」
「他にも髪の毛とかも抜けてからすぐに伸びたりはしないです」
とアイラさんが答えてくれた。
「そこもなんだな」
「まぁ伸び続けても大変ですから…なんで基本的には身体の正常な動作については『超回復』は働かないという事です…だから毎月アレもちゃんとありますからね」
と言いにくそうにカレンが答えていた。
「ああ、すまん…」
ここでツッコんで聞くようなことはしない。
アイラさんも言いにくそうにしている。
「だからこの米は喉から手が出るほど欲しいんですよ!」
日々の強い日差しを耐えるには絶好の食材ということである。
そして41層にてガンガンと狩っていく。
「こうなってくると『特攻』先にしたいな」
「まぁドロップランクがあるかわからんけどな」
実際、植物系はどういう特典があるか不明なので選べたからといってドロップが良くなることはないかもしれないが…これだけドロップしないのも考えものである。
その後もひたすら狩り続け1日でようやく6俵集まった。
ちなみに他のドロップ自体もそれなりに成果があり草関係のドロップ自体も集まった。
それに加えてとんでもない食材?も一つドロップしていた。
「若返りの霊草は1つだけだったな」
「まぁあれはレアなんだろうよ」
1つでは効果のない霊草ではあるがこれだけ狩っても1個しかドロップしなかったのでやはりかなりレアなのは間違いなさそうだ。
「まぁ他の薬草達はドロップしたしよしとするか」
「そうですね…名残惜しいですがこれだけあればしばらくは持ちますかね」
昨日のと合わせて400kgほどだが…。
正直これでも足りるかどうか怪しい所である。
そして一番の問題は1俵がマジックバッグに入らなかったのである。
「まぁここでドロップするという証明の為に検疫を受けていくのもありじゃないか?」
というカナタの提案もあってそのままダンジョンの出口で検疫をしてもらうことになったわけだが…。
日本というか世界でも確認されていないドロップ品という事もあって別室へと呼ばれたのだが…。
別室に案内された時点で認識阻害のアイテムを取って身分を証明した時点で解放となった。
一部提供して欲しいとのことだったので今朝使ったの残りの米を提供してことなきを得た。
「これからここのダンジョンとんでもない事になるんじゃないの?」
「でもドロップしたのは41層だからなぁ」
一応ここの管理者の人にはドロップした階層とモンスターは伝えてあるのだが…。
「あっちは伝えなくてよかったんですか?」
「まぁあれは霊草並のドロップ率だったしな…それにこれはさすがに提供できんだろ?」
1つだけドロップしたのは酒である。
しかもドロップした時にガッツリ酒瓶でドロップしたから驚きであった。
「まぁポーションも瓶入りだしな…」
「確かに」
と納得したのだが…。
「さすがにこれは提供できん、それにちゃんと鑑定してからだからな」
どんな効果があるかわからないのでこの酒は鑑定後という事になっている。
ちなみにうちのメンバーで酒を好むのはカナタ、ミレイ、サキ、アイラ、ソフィアである。
俺を含め一部は酒を嗜む趣味はない。
飲めなくはないのだが…あまり酒を美味しいと思った事がないので敬遠している。
「まぁ無理に飲む必要はないけどな」
それぞれ好きなお酒の種類も違うのでこれが本当に美味いかどうかはわからないが…ダンジョン産という事でかなり期待が入っていた。
という訳で日本のダンジョンツアーも終わりライブの為に新宿行きの飛行機に乗って新宿についた時には夜21時を回っていた。
夜も遅いのでどうかとも思っていたのだが全員集合していた。
「米!!!」
「お酒!」
「なんか甘いもん!」
とそれぞれから要望が飛んだ。
まぁ恐らくこっちはこっちで非常に大変だったのは全員の疲れ具合から察したのでツアーで手に入れた食材も含めパーティを開催する羽目になった。
ちなみに西園寺さん達もご相伴に預かりたいとの事で全員参加だ。
「帰宅したばっかりなんだけどなぁ…」
とぼやきながら料理の支度をするカナタ。
「まぁいいだろ、正直あっちの苦労に比べたらこっちは所詮肉体労働だけだ」
「危ない目にはあったけどな」
実際、傷も含めて疲労に関してもスキルのせいでほとんどない。
『悪魔同調』の筋肉痛も抜けた今、飛行機に乗ってたせいで身体が固くなってる程度の事である。
カナタと2人でタワーの厨房を借りて調理中である。
「さっさと作っていかないと全部食い尽くされるんじゃないか?」
「それは困るな。まぁシャレたもんじゃないしすぐ出来る」
といいながら白米に合いそうなおかずを片っ端から作っては出していき最終的に白米を提供した段階で全員が無言で噛み締めていた。
「さっきまではガヤガヤしてたのに怖いな」
「まぁこうなるのもわかるけどな」
とある程度の調理を終えた俺達も食事に参加した。




