函館ダンジョン
函館ダンジョン2日目、1階層は人が多いのでどうしても一目についてしまうのだが…転移石持ちだと思われるだろうということで30層へと『跳躍』した。
「とりあえずは、40層目指すって事でいいです?」
カレンから確認される。
基本的には斥候はカレンが担当しているので今日の目的の確認であった。
「そうだな、40層に向かって…40層以降の攻略は恐らく時間かかるだろうからな」
40層までは比較的ダンジョンによる違いはあっても俺達であればそこまで踏破に時間はかからない。
モンスターの強さに関しては強弱はあっても苦戦するというほどのモンスターは出てこない。
1層から10層に関しては通りがかりに倒すようにほとんど気にしなくても余裕。
10層から20層はある程度対峙する必要はあるがほとんど1撃か2撃なので余裕である。
20層から30層はそれなりにスキルを使用すればそこまで苦労せずに倒す事が出来る。
30層から40層はそれなりにモンスター手強くなるので基本的にスキルを使用した上で2人で対処に当たればそこまでではない。
ただし40層からは別である。
複数人でしかもスキルを使用してもなお、油断ができないような状況である。
相手の使用してくるスキルも厄介なもの、ランクアップしたようなスキルを使用してくるので相性が良い相手でもなければ楽に突破とはいかない。
なので今日は30層から40層までの攻略と41層の偵察をする予定である。
「道中のモンスターはドロップ確認も兼ねて数体倒す感じでいいですよね」
「ああ、問題ないな」
という確認を全員で行い進んでいく。
30層からのモンスターに関しては、それなりに手こずるのでカレンが魔法銃で牽制を行った後に、俺達が露払いする流れとなっている。
カナタが前に出てもいいのだがランがかなり張り切っているので基本的にはカレンに続いてランが先行している。
ランの能力はそれなりに広範囲への攻撃が可能なので相性はよい。
まぁランでも倒しきれない場合は、俺とカナタが処理する形になっているのだが…。
「遠距離だとそれ強いですね…」
「でしょ、狙いもかなりつけれるようになったもの」
以前使っていた『滑走』を利用した手裏剣によって抜けてきたモンスターもさくっと処理できてしまっている。
なので俺とカナタはそれでも抜けてきたモンスターの対処といった感じだ。
まぁ俺とカナタはスキルを使用すれば別だが、特攻モンスターじゃない相手にはデバフがかかるので手間取るというのが理由であった。
「汎用的なモンスターについては特攻先にしていった方がいいな…」
「特にオーガ辺りはやっといた方がいいかもな」
「そうだな、基本的にはほとんどのダンジョンで出てきてるからな…後は…インセクトか…」
「強制するつもりではないが、クリアしておいてもいいかもな」
まぁ自覚がない訳では無いが…アラクネであれば倒すことはできなくはない。
最悪目を瞑った状態で倒し続けるのもありかもしれない。
「数がなぁ…」
「数に関しては覚悟した方がいいぞ、『節制』を達成する以上には倒したからな」
「嫌すぎる…」
インセクトは達成までの数が多すぎるのがネックであった。
そこまで強くもなく数がいる。
1人で狩る事も可能であるが…生理的にきつすぎる。
という訳で後回しである。
最後の最後にするかもしれない。
そして40層まで進んだが…。
ここまでの道中も食材のドロップはあった。
40層の鶏のようなモンスターが相手だったのだが…。
「この卵って孵るのか?」
鳥モンスターを倒したことは今までもあったが卵をドロップしたことは1度もなかった。
「さすがに有精ではないだろ…」
確認した方がいいかもしれないが…テイマーでもなければモンスターはどうすることもできない。
という訳で、一応保管をしておいて後で確認するつもりだったのだが…。
「倒すのは苦労するけどそれなりにドロップするな」
「そうだな5匹に1匹落ちるなら一度食べてみるか…」
「「食べたい!」」です」
他3人も気になっていたようだ。
以前は卵に対してはそこまでこだわりはもっていなかったアイラとランであったが…。
日本の卵を味わったせいですっかり卵に虜になっていた。
「そこそこドロップしたし41層にいって探索してから帰るか」
卵をそれなりの数を集めた後に、41層に向かう。
42層への階段位を見つければ御の字位に考えている。
41層のモンスターは…。
「植物系か…」
植物系のモンスターではあるのだが…トレントのような固定タイプではなく、根を足のようにして歩くタイプだった。
「なんか上の方に生えてるの見たことがあるような?」
とカレンが疑問を口にする。
「ねこじゃらしみたいか?」
というカナタの言葉で俺も既視感の正体に気付いた。
距離を保って遠距離から攻撃をしていこうと思っていたら急に上の方が震え始め…穂が揺れた瞬間にもみが弾丸のようにこちらへと放たれた。
カナタが異変に気付きブレスによって炎の防御膜を張った。
炎によって防ぐ事ができたが…。
「なるほど遠距離も攻撃出来るのは優秀だな」
「まぁそれでも火には弱いようで」
という訳でカナタのブレスとカレンの炎魔法を詰めた魔法銃で進む。
そして数匹を倒した所で日本人として求めてやまない食材がドロップした。
「これは…乱獲だな」
「間違いない」
と言いながら俺とカナタは2人で顔を見合わせて笑う。
米俵がドロップしたのだった。




