群馬ダンジョン
群馬の奥地で…という訳ではなくダンジョンがあるのは普通に元市街地である。
それなりに復旧も終わり、実は以前よりも施設が充実しているらしく活気がある。
ただ、どうしても新宿ダンジョンの方が利便性が高く、組合のお膝元という事もあり色々とサポートが手厚いので新宿の方に行ってしまう人が多いらしくここを拠点に活動してるのは近場に家を建てたりしてここを永住地として捉えて潜っている人ばかりである。
「結構かかるなぁ」
「まぁ近いといってもそれなりにかかるからな」
ちなみに運転はカナタが担当した。
帰りは俺の予定である。
新宿からは2時間ほどで到着した。
実際、自分で走った方が速いのだがそんな事をすれば衝撃波を含めてとんでもないことになること請け合いである。
そして、そのままダンジョンへと入る。
基本装備はすべてマジックバッグに入れてある。
初めてのダンジョンなので色々と気をつけながら進んでいくが…。
このダンジョンをデザインしたのはどこのどいつだ…。
「なんで森だらけなんだよ…」
「ハハハ…」
1~10階層まで森でしかもそのうち8階層がインセクトだった。
残りの2階層はトレントとウルフだった。
「集団イメージが影響してるせいだよなぁ…」
「そうだろうな、まぁ元々日本のダンジョンは虫多いから」
とカナタから補足を入れられる。
ちなみにある程度のダンジョンの情報はすでに少し調べればすぐにわかる。
「ってか知ってて黙ってたな?」
とカナタに聞くと…。
「まぁその方が怯える姿見えて役得だし?」
と舌を出して答えるカナタ。
「ほら、こっから先は逆に虫出ませんから…30層まではですけど」
というカレンの慰めをもらいながら先を進む。
その先も頻繁に森フィールドが出てきたが猿型だったり、爬虫類だったりと虫は出てこなかった。
「しかしほんとに強くなったんですねぇ…」
としみじみと呟くアイラさん。
「まぁレベルも含めてかなり強くなってますからね…」
森フィールドは動きにくいという事もあるがそれを置いても各階層を15分ほどで走り抜けているのでかなり速い。
「それでもさすがに1日では無理かぁ」
「今日は開始も遅かったから仕方ないね、まぁ明日終わったら新宿に戻ってから飛行機かな」
という事でそのままどんどん階層を降りていく。
30層より下は正確な地図がないのでもう少し時間がかかるかもしれない。
正直モンスター自体はほとんど相手にならないのでそこは問題にならない。
苦戦するとしてもやはり41層より下だな。
まぁ今回はそこまで潜らないので問題にはならなさそうである。
30層からは地図がないので時間がかかるかと思っていたが…。
森フィールドが急になくなり草原フィールドなど探索しやすいフィールドが増えた。
しかも他の探索者もいないのでトップスピードでの移動が可能になり一気に駆け抜ける。
「全然水棲系のモンスター出ないんだな」
「確かにってか水場もなくて悲しいです…」
とランがふざけて答えていた。
「モンスター種にも大分偏りがありますね、鳥、獣、爬虫類、虫、植物ばかりでゴブリンだったりスライムなどのモンスターは全然でませんね」
「人型で出てきたのは猿位だったからな、オークもスケルトンもゴーレムすら出ない」
ファンタジー系のモンスターはほとんど出てこなかった。
まぁ大きさを考えれば巨大な虫も充分ファンタジー個体だが…。
「現実的というよりは現実の延長線って感じのダンジョンだな」
「確かにそんな感じですね」
と雑談を交えながら潜っていく。
よくも悪くも素材がかなり偏るので俺達みたいに特定のダンジョンに潜り続けるタイプにはあまりありがたくないダンジョンのように思う。
「そう考えるとハワイのダンジョンはかなり有難い作りなんだな」
「そうでしょ~?」
「ここぞとばかりに自慢しに出てきたのか?」
シトリーがドヤ顔で現れた。
「あそこは吸収した人間の多様だっただけだろ?」
「それでもモンスターの選別をしたのはワタクシよ?」
「ダンジョンの設計そのものは腐ってるけどな」
特に低階層の作りは最悪である。
しかし、拠点として使える10階層のホテルを作ったのはファインプレイといえるかもしれない。
「まぁホテルの件は助かってるし褒めてもいいかもな」
「なんか久しぶりに素直に褒められた気がするわね」
と嬉しそうな顔をしながら消えていった。
ほんとに自由人である。
ほんとは1日かけて潜る予定だったのだが…どうせならとひたすらスピードを上げて一気にかけおりて24時を回ったあたりで40層まで降りきる事ができた。
「どうせ車で移動するからって大分無茶した感じですね」
とカレンから突っ込まれる。
「これなら夜中について飛行機の時間までは寝れるしな」
という訳でここからすぐにダンジョンから出て車で新宿に戻った。




