45層森(トレント)
45層はシトリ-に聞いていた通りの森フィールドだったが…。
「これどれがトレントだよ…」
辺りを見渡しても木しか見えず、完全に森の中といった感じであった。
「トレントは待ち伏せが基本なんだから近づかないとわからないわよ、『隠蔽』スキル持ちだし」
という情報を聞かされた。
「そういうことは出発前に頼むぜ…」
『隠蔽』スキル持ちという事はここにいるメンツでは探知出来ない。
探知しようと思うと沙月が必要だった。
「別に探知しなくても襲ってきたやつを返り討ちにしていけばいいと思うわよ、あんたたちなら」
「なるほど…そういう手があるか」
別にこちらから寄っていかなくても、近くにいけば勝手に攻撃してくるなら問題ないかもしれない。
それに動かないというのであれば戦闘中に別のモンスターに襲われる心配もないので警戒の必要がかなり薄れる。
「まぁとりあえず進んでみるか」
止まっていても始まらないので森を進んでみる。
「セーブポイントの場所は覚えてないのか?」
「目立つオブジェクトを設置してあるからそのままならすぐわかるはずよ」
との言葉を頂いたのでそれも踏まえて探索を開始する。
最悪、セーブポイントを見つければ沙月を連れてくる事も可能になる。
そして少し進んだ所でシルバーが眼の前の木にに向かって吠える。
「あれ?もしかして分かるのか?」
「これだって言ってます」
とスミレの確認もとれたのでその木に向かってレールガンを放った。
そしてそれは木を貫き、モンスターのように木が消滅した。
「おお、すごいなシルバー」
と言ってシルバーを撫でる。
「これなら余計に楽かもな」
という訳でシルバーの鼻を頼りに片っ端から見つけてはレールガンと言った感じで狩っていく。
「ある一定以上近づかないと動きもしないのはどうかと思う…」
探知スキルが無くても狩れるがあった上で高火力の遠距離攻撃があれば余裕で勝てる。
弾の節約も兼ねて途中から遠距離からカレンの魔銃やシルバーが魔法を放ったりしていた。
その後、数時間倒す事を念頭に置いて探索していたのだが…。
「それっぽいのが落ちないな…」
ドロップするのは草らしいのだが、木材や魔石は落ちるのだがそれらしいものは落ちなかった。
「さすがにこれ以上は荷物が嵩張りますね…」
「そうだな、先にセーブポイントを探すか」
という訳で俺が『空間軌道』で森を抜けて周囲を見渡す。
目を凝らせば見える位の所に森の切れ目というか広場みたいな物を見つけた。
「あっちの方に広場があるみたいだからそっちにいくか」
「わかりました」
「了解」
「りょーかい」
という訳で進もうとしたのだが…。
「方向は分かってるから、これを使う」
といってバッグから槍と取り出す。
「もしかして…」
「直進するならこれが速い」
と言って槍をその方角めがけてぶん投げる。
木々をなぎ倒しながら進んでいく槍。
海と同じように木がなぎ倒されて道が出来た。
「よし、いくぞ」
「脳筋がすぎる…」
というスミレの呟きもあったが、これが一番速いのだからいいだろう…。
道中で数体のトレントを倒していたようでドロップ品を回収する。
目的の広場に到着すると確かに大岩があったのだが…。
「おうふ…まさかぶち抜いたのか…」
俺が投げた槍がどうやら貫通したようで岩は今にも崩れそうな位にひび割れていた。
「あーあ」
「いやいや良いだろ、結果オーライだ」
どうせ壊すのだから壊してしまっても問題ない。
まぁまさかピンポイントに撃ち抜いているとは思わなかった。
トドメとばかりに一撃を加えると岩が完全に崩れ…いつもどおりにモンスターが現れる。
「おぉ…これは…」
先ほどまでのトレントはおよそ30mといった感じだったのだが、高さは同じ位だが広場を埋め尽くさんほどの太さを持っていた。
俺達は後ろに退避する。
カレンはスキルでスミレとツバキはシルバーとグレイに乗って退避したようだ。
「グレイは送還しといてくれ」
「わかりました」
グレイを送還したのでそのままパーティを組み直し相対す。
「デカすぎて見えないな」
まぁとりあえずひとあてしようと思いレールガンを放つが…。
木の枝が伸び絡まり壁のようになる。
そして俺のレールガンは枝に埋め込まれるように止まってしまった。
「弾かれるのでもなく埋もれたぞ…」
まぁ攻撃力半減してるので仕方ない面もあるが、今までのトレントは防ぐ事は出来ず貫かれていたのでかなりの防御力を持っているようだ。
「まぁそういうことなら私が行きます!」
といってカレンが『獣化』する。
圧倒的なまでの攻撃力をもった蹴りは、枝によって受け流されてしまう。
「こいつやりにくい」
一度下げって戻ってきたが苦戦しているようだ。
「物理に関してはとんでもない受け流しスキルだな」
俺が使っている柔術に近い技術を持っているようだ。
「今度は2人でいくか」
「りょーかいです」
「バフかけとくね!」
と言われてシルバーから『祝福魔法』がかけられる。
そして2人で突っ込む。
俺達が近づくと同時に枝やツタが伸びてくる。
こちらの攻撃を受けると同時にツタにより拘束しようと迫ってくる。
大きく動く事でツタを回避しながら攻撃を加えるが枝がしなり攻撃そのものが受け流されてしまう。
しかも物量によって本体までたどり着けない。
今までのボスとは違いかなりやりにくい相手だった。
「ダメだ、埒が明かない下がるぞ」
「はい!」
これ以上はツタを回避しきれないと判断してカレンは『跳躍』を使う。
そしていなくなったカレンに戸惑ったのか一瞬攻撃の手が緩む。
そして俺は『電磁支配』で一気に突き抜ける。
「ふぅ、魔法攻撃ならいけるかもだなぁ…物理に対して強すぎるな」
「ここまでとは思いませんでしたね。私の『跳躍』で飛んで一気に接近してみますか?」
「懐に入って仕留められればいいけどな…下手すると捕まるぞ」
取れる手はいくつかあるがどれを取るかが重要だ。
「あーし達がいくよ!」
とスミレ達が名乗りでた。
「遠距離なら私達でいけると思います」
「魔力切れはいいんだな?」
「それくらいのリスクは負う」
とどうやら覚悟は決まっているようだ。
どんどん枝とツタが伸びてこちらに近づいてきているのであまり悠長にしている時間も無さそうなのでここはスミレ達に託そう。
「それなら俺達は露払いしてるから準備が出来たら合図してくれ」
「グレイはどうしますか?」
「今回は、グレイ無しで戦闘始めちゃったからな無しで頼む」
「わかりました!」
そもそも四合体は反動を含め威力も半端じゃないのでさすがに過剰火力すぎる。
それに戦闘中にパーティメンバーを変えるとドロップしなくなるのでそこは避けたかった。
「さて、俺達は準備が完了するまで防ぐぞ」
「りょーかいですよ」
といって迫ってくる枝とツタに向かっていく。




