管理者
それから日本出身だったなら食料改善からしろよとファクトリーを含め言われていたが⋯。
「基本荒れ地で農業出来るようにするまでどれくらいかかると思ってるんだ⋯」
と突っ込まれてしまった。
砂漠とは言えないが、基本的に荒野からあのビル群を作り上げたと思えば確かに凄いが⋯。
確かに農業となると難しいのかもしれない。
「肉等はダンジョンでなんとかなるんだが⋯そもそも野菜はないからな」
「栄養バランスがすっごい気になるな⋯」
「基本的に高級なダンジョン食材を食ってるから美味いものは食べれるんだが料理って言われるとな、焼くか焼くか焼くかしか」
原始時代かよ⋯。
「毎日食うのにも困ってた連中が立ち上げた国だからな⋯」
と言われてしまうとまぁそういうもんかと思うしかなかった。
会食が終わって事務的な詰めは、レイン、ドロップ、ハイドが担当してこちらも沙月、ミレイ、サキが担当することになった。
本当はミラーも加わる予定だったのだが⋯聖歌と個人的にO・HA・NA・DEADがあるそうで連行されていった。
「それであなたは良いの?」
と部屋で横になっている俺にシトリーから声をかけられる。
「もう大人しくしてろって言われたからな」
料理の時にも言われていたのだが⋯リハビリって事で大目に見られていたが訓練するとなったら話が別と言われてしまった。
ちなみに対人訓練をしようという話で乗ってきたのはラッキー、スノウ、マインだった。
ラン、ソフィア、カナタが相手をするって話で纏まっていた。
「最初は見てるって言ったんだけどな⋯」
「見てたら参加するでしょ」
とシトリーにも言われてしまい⋯まぁその通りなのだが⋯。
「まぁこんな機会も滅多にないから参加したかったんだが⋯」
「何かあっても近くであなたのお母様がいるんだからどうしようもないでしょ」
「そっちの心配はあんまりしてない」
聞いた限りでは負ける未来があんまり見えない。
「ラッキーってやつの『幸運操作』位かな未知数なのは」
「発動範囲が手のひらの時点でどうかって言ってたわね」
沙月曰く、あれは本来モンスターとかのドロップ率を上げるのに使うのが一番だと思いますと言っていた。
「効果時間も短いみたいらしいわね」
「それであそこまで強くなったのは本人の地力が強いからだと俺は思うがな」
敵に対しては容赦しないタイプなようだが、味方に対しては兄貴分的な感じで接しているようで好かれているようだった。
ルーシェルの死に一番心を痛めていたのも彼だった。
「そういえば他のメンバーは?」
「この階層を堪能するっていって海にいったらしいぞ」
「モンスター大丈夫なの?」
「まぁ10階層程度のモンスターじゃなんともないだろ、遊ぶには丁度良いくらいなんじゃないか?」
あちらのダンジョンには海が無いらしい。
内地な上に紛争地帯、荒野という事でまぁ仕方ないのかもしれないな。
「それに戻ったら、大変なんだろ?」
「そうね⋯」
まだこの事は沙月と母(聖歌)にしか話してないのだが⋯。
「ダンジョン管理者の権限は引き継ぎされない」
「ええ、あくまでもダンジョン管理者はあのルーシェル。死亡した以上は管理者が不在状態ね」
「権限がないからまた50階まで潜らないといけないんだろ?」
「しかも恐らくボスが再出現してるはずよ」
というシトリーの話を伝えてある。
「『王権』で領地は解除されてないならそのまま勝てるんじゃない?」
「そんな、簡単にいくのをダンジョン様が認めてればね」
「そう、言われると無理そうな気がするな」
そんな簡単にいってはダンジョンの目的に反する。
「まぁあっちのダンジョンの問題は母さんなら多分なんとかするだろうさ」
「さすがに信頼してるわね」
「正直、俺の中では完璧超人だからな~正直出来ない事が思いつかない位には」
出来ない事があるんだろうか⋯。
「とりあえず風呂入るか」
というわけで風呂に入ったのだが⋯背後からまたシトリーに抱き着かれる。
「相変わらずだな」
「これでも遠慮してるのよ?もししてなければもっとしてるわ」
それから一緒に湯船に入る。
「そういえば背後からで思い出したんだが⋯俺の『危険察知』仕事しなさ過ぎじゃね?」
「『危険察知』は敵意にしか反応しないから、相手があなたを害する気持ちがなかったら反応しないからだと思うわよ。それにあなたが危険に感じるレベルが高すぎるのもあると思うわよ」
と仕事をしない理由が判明してしまった。
それから1~2時間ほど経った頃に部屋をノックされた。
やってきたのは母(聖歌)だった。
「久しぶりに一緒に寝ようと思ってね」
「いくつになったと思ってんだよ⋯」
とは言いつつそのまま部屋に招く。
「私の中ではまだ中学位?」
「別れた時でも高校生だったが⋯」
「あれ?そうだっけ?」
「まぁ全世界ツアーとかいって忙しそうにしてたから仕方ないけどさぁ⋯」
あの時期は全世界を巡るツアーをずっと回っていてほとんど家に帰ってきてなかった。
「一緒に寝てたのなんて数える位しか覚えがないけどなぁ」
「そうそう、だから今のうちに取り返すのよ、奥さん達に取られちゃう前にね」
「へいへい⋯」
という訳で数十年振りに母と寝ることに。
「ざっくりは聞いたけどあんたどんな人生歩んでたの」
「色々っていうほどじゃないかなぁ⋯」
と寝るまでの間に色々と話す事ができた。
懐かしさを感じながらしっかりと眠る事が出来た。




