会食
その後、こちらで色々と顔合わせやらアカネに詳細を聞く母(聖歌)だったり色々とあったがDDDのメンツも含めて会食を行う事になった。
ちなみにやるやらないの話はあったのだが⋯(主に危険性の問題で)
ただ、今回の件を掘り下げてみると基本的にはDDDから喧嘩を売ってきたのを返り討ちにしているだけである。
しかも幹部連中は今回の事以外には関与しておらず、しかも主犯であるアレスはすでに籠絡済み、ルーシェルは母(聖歌)が殺しておりこちらを恨まれるのは筋違いという状況である。
こちらに派遣していた人達はどうなりましたか?
とレインより質問を受けたが⋯。
「隷属化して、元気とは言えないですけど働いてますよ」
「そう、まぁ死んでなければヨシと思ったほうが良さそうね」
との事で終わってしまった。
眷属ではなかったのでまぁ貴重な人材ではあったがきっと替えもいる程度の人材だったんじゃないですかねと沙月が言っていた。
結果として今後の事も考えて話し合いをしておいた方がいいでしょという事で全員で会食を行う事になった。
ちなみにすでに母(聖歌)の洗礼を諸に受けているDDDの面々は3人を除き借りてきた猫状態であった。
母曰く⋯「あの強さじゃ負けて当然ね。アキラ1人で全部倒せるわよ」との事だった。
それは言いすぎだろとも思ったのだが、全員の感想を聞いた限りでは1人を除いて多分苦も無く勝てるんじゃないですかねとの事だった。
1人はサキが相手をしたハイドだけ大変なんじゃないかという事だった。
全員の見立てがそういうなら少し試したいとも思ったが⋯まぁそんな機会はあるか⋯。
ちなみにもう1人、DDD側の人間がいるのだが⋯。
「どこにいったと思ってたけどあなた一体どこにいたの?」
「ずっと10階層で待機してました」
ミラーから突っ込まれて答えているのはなぜかテーブルを挟んで俺達側にいるクレアである。
「そちらにいるのはどういうことだ?」
と圧をかけるラッキー。
「ああ、それについては私から説明します。彼女は結構前から私達に協力してました」
と沙月が語りだす。
DDD側は驚きの表情を浮かべていた。
眷属である彼女はDDD側を裏切る事はできない⋯そう思っていた。
しかし眷属化には一つ弱点が存在する。
行動はしばれても思考を縛る事が出来ないのである。
彼女とパーティを組んだ状態になった後は非常にスムーズに事が運んだ。
思考を縛れない眷属化では思考の上では何を話しても盗聴も出来なければ思考も読めない。
なのでルーシェルがクレアにいつ奇襲をかける等の情報はクレアからも仕入れていた。
なのでここに全員できた瞬間から地上にいるクレアから位置情報などはすべて駄々漏れ状態である。
「あなた裏切ったのね」
「元々私が従っていたのはアレス⋯いえ姉の為だもの⋯まさか死んでたなんて思ってもみなかったわ」
そう彼女はアレスが使っていた肉体の元の持ち主の妹であった。
なのでアレスが使っていたのが死体という情報と共に彼女に伝えた。
その結果、しばらく精神的にもかなり落ち込んでいたのだが⋯。
俺が彼女の姉の最後の言葉を伝えた。
まぁ性格にはシトリーが力を奪った時に流れてきた残滓を伝えたに過ぎないのだが⋯。
それから何故か⋯好かれており念話でそれなりに会話をする仲だったりする。
「正直騙して私の事を従わせていたのだから裏切られても文句を言われる筋合いは無いわ」
というクレアの主張に対して特に反論が出来る事はなかったようだ。
「色々とわだかまりはあるかと思いますけどとりあえずご飯を食べた方がいいですよ、丸1日気絶状態だった所にかなり絞られたみたいですし⋯」
と沙月が提案する。
下手するとかなりの空腹状態のはずなのだが⋯全員手を付けずにいた。
ちなみに今日の料理担当はカナタと俺である。
DDDで美味いものばかり食ってた連中の舌を満足させられる気がしないが⋯。
「無駄なプライドは捨てなさい、あなた達は負けたのだからここで意地を張る意味はもうないわ。施しを受ける側なのよあなた達は」
と聖歌が言い放った。
悔しそうな面々ではあったが⋯まぁその通りな訳ではあるのだが、そこまで言うのかと自分の母ながら怖いと思ってしまった。
「皆で食べましょう、正直私達にはもう反抗する理由すらありません」
というレインの一言に観念して食べ始めた。
渋々というかまぁ色々と葛藤があるのか表情は明るくなかったのだが⋯一口目、二口目と続くうちに恐ろしい早さで料理が消えていった。
やはり空腹状態だったのも効いたか⋯。
「うめぇ!あっちじゃろくな料理食えないから!」
とラッキーが叫ぶ。
「えっ?美味いもの食べてないの?」
「ああ、あの国にまともな“料理”出来る人はいないんです」
クレアが呟く。
「ダンジョン食材はあるだろ」
「ダンジョン食材はあるのですけど、元々紛争地帯で料理のりの字も知らない人がほとんどな上にスカウトしていた人達は基本的に戦闘力等でスカウトしてたのでまともに料理出来る人はいません」
いやいや、それにしたってそれなりに出来るやつはいるだろ⋯とも思ったのだが。
「そもそも料理をする為の食材の種類が少ないんです。基本的にダンジョン食材しかありませんから」
という一言に全員がそういうこと⋯という顔をする。
栄養バランスが非常に心配になる一言であった。
「まずは農業指導からした方がいいかもしれませんね⋯」
と沙月が呟く。
「仕方ないとは言え、食料基盤が出来てないんだな」
ダンジョンで成り上がった国の弊害を全員で感じていた。
そして紛争地帯からの出身者は初めて体験する料理の美味さに涙を流し他の各国からのスカウト組は懐かしさに涙を流しながら食べる異様な光景であった。




