顔合わせ2
そんなセクハラ発言を乗り越え次にカレンが挨拶をした。
「霧崎カレン18歳です、ミレイの妹です。よろしくお願いします」
と挨拶をした。
ちなみにアイラさんに憑依している母(京香)については説明済みである。
今日までは隠していたのだがみんなも薄々と気付いていたようだ。
「たまにアイラさん虚空に向かって話してたから正直怖かった」
とカレンを含め数人に目撃されていたようだ。
これは全員に説明しといた方がいいのかもしれない。
「それにしても18なんて、また随分若い子を⋯」
「待て待て!自称18だろうが!本当は21だろ!」
「3年寝てたんですから戸籍上はそうでも私はまだ18です!」
と言い張るカレン。
「そうなると私も記憶がなかった時期があるのだからまだ40でいけるわね」
「そうですよね、ノーカンでもいいですよね」
「そこで意気投合すな!」
それに母に至っては記憶を無くしても活動してたのだからノーカンなわけがない。
「そんなこと言い出したら私は霊だから若いままよ」
ややこしくなるから参戦してこないでほしい。
「まぁ本当に18歳の子もいるんだから、別に間違ってはいないでしょ」
と言ってくる聖歌、イジリが完全に親類のノリだから辛い。
「それにしても姉妹をそのまま娶るなんてどこかの貴族様でも中々ないわよ⋯」
とボヤかれる。
「フィクションでも中々無いわね⋯聖書にはあった気がするけど」
京香も補足を入れてくる。
「姉妹揃って立派な物を持ってるわね⋯そういえばお母様も立派な物を持ってた記憶があるわ⋯」
どうやら2人のアレは親ゆずりだったようだ。
「竜崎カナタです。よろしくお願いします!」
とカナタが挨拶をした。
先に挨拶した2人のせいでもあるがどうしてもある部分に目線が向かう。
「そういうわけではなかったのね」
と俺に言う母(聖歌)。
どういう理由だ、それは。
「頑張ってはいるんですが⋯残念ながら」
と落ち込むカナタ。
「いいのよ胸なんて無い方が動きやすいわ」
母も大きい方ではないがある程度の大きさはあるのでそれは慰めになってないと思う。
「それに大きくしたいならそういうアイテムがあるわよ」
という言葉にカナタが目を見開いた。
「なんてアイテムですか!!」
「『神の乳』ってアイテムがあってそれを飲むと大きくなるわ」
「どこで手に入りますか!?」
めっちゃ食い気味に聞いている。
「俺は別に大きさは気にしてないんだから気にしなくても」
「あんたもそこが小さかったら気にするでしょ」
とある部分を指さされ⋯まぁ気にするなと言われると確かに無理な気がする。
「飲んでも一時的なものだし永続的な効果はないわよ」
あまりの勢いに少し母が引いていた。
恐るべしカナタ。
「一時的でも構いません!」
「そう⋯ギリシャのダンジョンの42階層のミノタウロスを倒すと稀にドロップするわよ」
「ギリシャか⋯」
さすがに他国のダンジョンなので潜るのは難しい。
「って42階層!?どうやってフェンリル倒したんだ?」
アンノウンで活動中は基本的にソロだったはず⋯どうやってフェンリルを倒したのか気になって口に出していた。
「あんなワンちゃん1人で倒せるわよ」
と涼しい顔で言い放たれてしまった。
そう言われれば、『悪魔同調』を手に入れた今ならやれる気がしてきた。
「なんか悪いこと考えてない?」
と俺にだけ聞こえるようにシトリーが呟く。
「別に⋯それにフェンリルでも良いんだもんなと思っただけさ」
「やっぱり悪いこと考えてるじゃない!」
とシトリーが憤慨していたが、まぁこれは後々である。
「フェンリルソロ討伐⋯やっぱり規格外だな⋯」
「まぁ、それでも50層の悪魔は無理だったわね」
「なんて悪魔ですか!?」
と今度は沙月が興味津々に聞いていた。
「バエルよ、少し話しをさせてもらったけどね。あっちもまさか1人で来るとは思わなかったみたいで笑ってたわ」
我が母ながらすでに悪魔と対峙していたのは驚きである。
「ひと目見て勝てないのがわかったから撤退させてもらったわ。あっちも戦意が無いなら引けって言ってくれたしね」
基本的に悪魔としては人を殺すのを目的とはしてないという前提がある。
そう考えれば引きたければ引けというのはおかしくはない。
「ちょっと他のダンジョンの話とか非常に気になるのですが⋯先に挨拶します⋯小林沙月です。もう色々お話もしたので知ってるかと想いますが⋯」
「ええ、それに記憶が戻って思い出したわ。あなた小林幹事長の娘さんでしょ?」
「よくご存知でしたね⋯」
「お母様にそっくりだもの、コンサートにも足を運んでくれてたみたいだし」
よく覚えてるな⋯数十年前のコンサートだろうに⋯。
「総理から紹介されて、それにあんなにお若い幹事長だったものさすがに覚えてるわ」
沙月の年齢から考えても数十年前に幹事長だったとするとかなり若かったように思える。
「恐縮です⋯」
「それで、まだお二人はお元気?こんな事になってしまったのだから親として挨拶をしないと⋯他の子のご両親にもだけど」
と母(聖歌)が申し訳無さそうに言葉を発した。
「2人はダンジョン災害の折に亡くなりました⋯」
「そうだったの⋯悪いことを聞いたわね⋯ごめんなさい」
「母さん悪いけど全員親はいない、全員ダンジョン災害で亡くなってる」
事情を伝えていなかったので少し重い空気になる。
「そう⋯他所様の娘さんを複数娶るなんて親御さんになんて謝ろうかと思ってたのだけど⋯」
その心配は必要なかったりする。
本来なら俺もこんな心配をされる事もなかったのだが⋯。
「そういう事なら、結婚したら私があなた達の義母になるのだから遠慮なく育ててあげるわ」
とにっこりと微笑む母。
一瞬冷水でも浴びせられたかのように部屋の温度が少し下がったようにすら感じた。
「私がこの時代を生き抜けるように立派に育てるわ」
となにやら変なスイッチが入ってしまった母(聖歌)。
「いや、ほらみんな幼少期から仕込んだ理由じゃないからあんまり無茶は⋯」
「大丈夫、今からでも出来る訓練はあるもの⋯鍛えがいがあるわ」
とはりきっていた。
1人、いや2人紹介が済んでいないのだが⋯残りの2人は後でということになった。




